研究課題/領域番号 |
19H00791
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
勅使川原 正臣 中部大学, 工学部, 教授 (50344007)
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研究分担者 |
丸山 一平 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40363030)
日比野 陽 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (50456703)
浅井 竜也 名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (90815846)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
44,590千円 (直接経費: 34,300千円、間接経費: 10,290千円)
2022年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2020年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2019年度: 20,410千円 (直接経費: 15,700千円、間接経費: 4,710千円)
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キーワード | 鉄筋コンクリート / 乾燥 / 力学特性 / 固有周期 / ひび割れ / 初期剛性 / 降伏点 / 数値解析 / 建物 / コンクリート / 耐震性能 / 静的載荷実験 / モニタリング / 経年変化 / 建築物 / 連層耐震壁 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄筋コンクリート造構造物は,一般的な環境においても乾燥が進み,強度・剛性(力学特性)の経時変化が生じる。しかし,その力学特性変化に関する知見は乏しく,それを考慮していない現行の耐震設計法に基づく建物は想定し得ないリスクを内在している。そこで,本研究では,乾燥の有無をパラメータとした大規模骨組みの静的載荷実験を実施し,取得データをもとに,建物の剛性や降伏点変化のメカニズムを数値解析により解釈し,乾燥がRC造架構の力学特性変化に与える影響を定量的に把握する。
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研究成果の概要 |
1/2スケールRC造3層架構試験体の乾燥過程における計測により,乾燥収縮ひずみは,部材の一部を切り出した試験体や,架構試験体内でも拘束の影響が比較的小さい部分では700μ程度に,拘束の影響がある部分ではそれより小さい値に収束することを示した。また,静的載荷実験により得られた湿潤/乾燥両試験体の水平力―水平変位関係の比較により,乾燥により初期剛性は概ね半減し,降伏時変形および降伏時耐力はそれぞれ増大およびやや低下したものの,繰り返し載荷を行う中で,両履歴特性は漸近することを示した。また,床組みを対象にした数値解析により,乾燥による力学特性変化を精度良く再現することを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コンクリートの乾燥はRC造建物の経時的な力学特性変化を生じさせ,その変化は建物の耐震安全性を評価する上で重要な地震応答変形量に重大な影響を及ぼしかねない。しかし,その影響に関する定量的なデータの蓄積は極めて乏しく,乾燥による応答変形の変動を陽に評価しない現行の耐震設計法に基づく建物は,想定し得ないリスクを内在している。そのため,本研究において,乾燥がRC造架構の力学特性変化に与える影響を実建物に近い条件で定量に把握するとともに,その影響を高精度に再現可能な数値解析技術を発展させたことは,将来の地震被害に関するより正確な予測の実現に貢献する。
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