研究課題/領域番号 |
19H00794
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
五十田 博 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (40242664)
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研究分担者 |
森 拓郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (00335225)
北守 顕久 大阪産業大学, 工学部, 准教授 (10551400)
荒木 康弘 国土技術政策総合研究所, 建築研究部, 主任研究官 (40435582)
中川 貴文 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (60414968)
中島 昌一 国立研究開発法人建築研究所, 構造研究グループ, 主任研究員 (90734210)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,500千円 (直接経費: 35,000千円、間接経費: 10,500千円)
2022年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2021年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2020年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2019年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
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キーワード | 建築構造 / 木質構造 / 耐震安全性 / 耐震設計 / 環境問題 / 連層耐力壁 / ロッキングシステム / ダンパー / ドリフトピン接合 / 傾斜復元力 / CLT / 木質大判パネル / ロッキング機構 / 損傷制御 / 建築構法 / 木構造 / 建築工法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではロッキング機構を活用すべく、大判パネルを縦使いし、複数層にまたがる連層壁とし、さらに連層壁に様々な可用性を付加した構法を提案する。各層においてモーメント負担をさせることで耐力性能を高める通し柱効果、パネル間をダンパー連結し壁間のせん断ずれに伴う制振答低減効果、損傷を復旧可能な一部分のみに生じるように誘導する損傷制御機構などについて複合的な検討を行う。その力学メカニズムの解明を通じて基礎的な性能を評価するとともに、地震時応答性状について評価を行う。混構造を含む実際の建物に導入した場合の耐震挙動、施工上の合理性についても合わせて検討を行う。
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研究成果の概要 |
木材を建築物に利用促進する研究開発は国内外で進められている。本研究は木材を用いた建築物の新たな構造を提案するものである。CLTというヨーロッパで開発された材料を用いて、地震国であるわが国でも耐震安全性を確保した連層耐力壁構造を提案した。この構造は伝統的な木造建築物の構造安全性の考え方にも通じるもので、伝統的な考え方をベースにさらにエネルギー吸収部材を用いて高度化をはかっている。林野庁ほかのプロジェクトと協同しつつ、5階建ての静加力実験と3階建ての振動台実験を実施し、過去最大級の地震に対して安全であることを確認しつつ、設計方法について一考した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
連層耐力壁構造は地震国である、米国、ニュージーランド、日本で時期を同じくして提案された、大きな版を用いた建築構造手法である。これまで日本では伝統的な工法に用いられてきた転倒復元力という抵抗機構を経験とか感ではなく学術的な観点から解明し、さらに実験によってその安全性を確認した点は大きい。本研究は3階建て、5階建てが多少ではあったが、米国では同様の手法によって10階建ての木質構造の実験が実施され、更なる高層木造が可能であることが証明された。CO2削減の観点から木材利用が進められており、木造建築の適用範囲を広げ、かつ安全性を確認した点で極めて意義深いものである。
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