研究課題/領域番号 |
19H00945
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
川崎 努 近畿大学, 農学部, 教授 (90283936)
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研究分担者 |
児嶋 長次郎 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50333563)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,760千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 10,560千円)
2022年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2020年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2019年度: 20,410千円 (直接経費: 15,700千円、間接経費: 4,710千円)
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キーワード | 植物免疫 / NB-LRR / エフェクター / イネ / 病害抵抗性 / 病原菌 / 受容体 / 病原性細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は、病原菌を認識して多様な防御反応を誘導する。一方、病原菌はエフェクターを植物細胞内に分泌し、植物の防御反応を抑制する。それに対し、植物は、エフェクターを認識して強い免疫を誘導するNB-LRR受容体を獲得している。NB-LRR受容体は、重要な免疫因子であるが、NB-LRR受容体による免疫活性化機構は不明である。また、病原細菌がもつTALエフェクターは、核で植物遺伝子の転写を制御し、菌の増殖環境を整える最強の病原性因子であるが、植物の転写をハイジャックする分子機構は不明である。本研究では、NB-LRR受容体による免疫活性化機構およびTALエフェクターによる植物遺伝子の転写制御機構を解明する。
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研究成果の概要 |
植物のNB-LRR型受容体は、病原菌が植物細胞内に分泌するエフェクターを認識して強い免疫反応を誘導する。しかし、NB-LRR受容体がどのように免疫反応を誘導しているかについては殆ど理解されていない。本研究では、イネのNB-LRR型受容体Xa1に相互作用する転写因子ERF101を同定し、ERF101がXa1誘導免疫の正の制御因子として働くことを明らかにした。さらに、白葉枯病菌のTALエフェクターが転写因子として宿主遺伝子の発現を誘導することが知られているが、TALエフェクターが宿主の転写装置を利用していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界的な環境変動により、病害虫の発生地域が変化・拡大することで、農業生産に大きな損失をもたらしており、新たな耐病性技術の開発が望まれている。NB-LRR型受容体は、様々な病虫害に対して抵抗性を誘導するため、古くから農業現場で利用されてきた。しかし、NB-LRR型受容体が未だにどのように免疫反応を誘導しているかは理解されていない。NB-LRR型受容体の免疫活性化機構を理解できれば、病害虫抵抗性を付与する次世代型農業技術の開発に貢献することが期待される。また、病原菌のエフェクターは病原力の鍵因子として働いており、その機能解明は、病原菌の増殖を抑制する技術に結びつくことが期待される。
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