研究課題
基盤研究(A)
家畜の監視伝染病を引き起こす病原体であるトキソプラズマやサルモネラに対するにインターフェロン依存的な生体防御応答を解析し、PVM1の解析によって病原体含有膜上の非自己性の本体を明らかにする。マウス・ヒト研究で得られた知見が豚で適用できるのかin vitro・in vivo試験し、我が国での豚のトキソプラズマ生ワクチン使用のための基礎データを蓄積する。
トキソプラズマは家畜の監視伝染病等の病原体の一つである。トキソプラズマは、核を持つ全ての温血動物の細胞に感染することができる細胞内偏性寄生性原虫である。世界の人口の約3分の1がトキソプラズマに感染しているとされているが、多くの感染は無症状である。しかし、免疫不全のヒトや動物においては、致死的なトキソプラズマ症を引き起こすことがある。また、トキソプラズマはアメリカ合衆国において経済的損失と生活の質の低下を引き起こす食中毒の原因となる病原体の上位5つに含まれており、その農学的観点から寄生虫学的な特性を知る必要性があった。本研究によって、新規病原性分子、特にIWS1とGRA72を同定した。
本研究はトキソプラズマの病原性における転写因子IWS1の重要性を明らかにし、新たな治療標的の可能性を示した。IWS1およびROP18の機能とその相互作用の理解が進むことで、トキソプラズマのヒトおよび家畜感染症に対する新しい治療法の開発に寄与することが期待される。またトキソプラズマ原虫は一度感染すると、完全に排除することは不可能で一生涯に渡って感染し続けるが、本研究で同定された多数の病原性因子はトキソプラズマ原虫の『弱点』であり、それらを標的とした様々な新規治療法や家畜動物用のワクチンの開発が大いに期待される。
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