研究課題/領域番号 |
19H00978
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
石野 史敏 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 非常勤講師 (60159754)
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研究分担者 |
志浦 寛相 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (10451907)
石野 知子 (金児知子) 東海大学, 医学部, 教授 (20221757)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
46,020千円 (直接経費: 35,400千円、間接経費: 10,620千円)
2021年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2020年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2019年度: 21,320千円 (直接経費: 16,400千円、間接経費: 4,920千円)
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キーワード | 胎盤 / 哺乳類進化 / 脳機能 / レトロウイルス / 獲得遺伝子 / 母子免疫寛容 / 自然免疫 / 胚体外組織 / ゲノムインプリンティング / 哺乳類特異的獲得遺伝子 / LTRレトロトランスポゾン / 胎盤形成 / 哺乳類特異的遺伝子 / 筋肉発生 / 哺乳類の進化 / 胎盤機能 / 哺乳類個体発生 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類が胎生という生殖機構へ、LTRレトロトランスポゾン由来の獲得遺伝子であるPeg10, Peg11/Rtl1をどのように使うことで適応したのか、進化における遺伝子獲得の意義を明らかにする。具体的には、Peg10, Peg11/Rtl1およびSirh遺伝子群の胎盤や胎児における機能明らかにすることにより、獲得遺伝子が胎生という生殖機構への適応にどのように関与したかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
「レトロウイルス由来の哺乳類獲得遺伝子」という概念が哺乳類の進化を理解する上で重要なことをマウスを用いた遺伝学的実験で実証した(Proof of concept)。具体的には、1) 胎盤形成に必須なPeg10は母子免疫寛容にも関わること、2)胎盤の機能維持に必須なPeg11/Rtl1が胎児期・新生児期の筋肉の発生や脳機能にも重要な機能を果たし、鏡-緒方症候群、テンプル症候群の主要原因遺伝子であること、3)Sirh3とSirh8は、脳の免疫細胞であるミクログリアで発現し、自然免疫系の一員として機能すること、4) Sirh4-6が特定のヒト神経疾患に関係する可能性を示唆したことなどである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
哺乳類にのみ存在するレトロウイルス由来の獲得遺伝子が、胎盤形成だけでなく、脳機能の高度化や自然免疫、母子免疫寛容、いくつものヒト疾患に関係することを明らかにした。これにより「獲得遺伝子」という概念が、哺乳類の特徴を解明するのに有効であることを証明し、ヒトの理解に「ウイルス由来の霊長類・ヒト特異的獲得遺伝子」の解析の必要性を示した、ネオゲノミクス科学分野の先駆けとなるものである。進化学における新しい概念を提唱したものであり、学術上の貢献が非常に高い。 ヒト、哺乳類の進化は一般人の関心が高い分野だが、これらの成果はNHKの科学番組や関連書籍として取り上げられ、広く社会一般にも知識が還元されている。
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