研究課題/領域番号 |
19H00988
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
布浦 拓郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生命理工学センター), センター長代理 (60359164)
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研究分担者 |
力石 嘉人 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (50455490)
千葉 洋子 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 上級研究員 (70638981)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,110千円 (直接経費: 34,700千円、間接経費: 10,410千円)
2022年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2020年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2019年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
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キーワード | クエン酸回路 / TCA回路 / メタボローム / 好熱菌 / アーキア / 炭酸固定 / CO2固定 / 炭素固定 / 不完全型TCA回路 / 超好熱菌 / 代謝解析 / 炭素中央代謝 / アイソトポマー / 中央代謝 / 水素酸化菌 / メタン菌 / アミノ酸 / アミノ酸生合成 |
研究開始時の研究の概要 |
TCA回路は最も研究された代謝系の一つであるが、ゲノム解析から非モデル微生物には不完全型等多様なTCA回路の存在が示唆され、実際、研究代表者らが始原的な可逆的TCA回路を見出したように、未だ重要な知見の発見が相次ぐ。本研究では、培養が困難な環境微生物へ適用可能な独自の微量メタボローム解析技術を駆使し、(1) (超)好熱性アーキア及びバクテリアに分布する「不完全な」TCA回路の役割の解明、(2) TCA回路ともう一つの始型炭素固定経路(Wood-Ljungdahl経路)との関係の解明、(3) (1)/(2)の過程で明らかにされる未知アミノ酸生合成経路の解明を実施する。
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研究成果の概要 |
本研究課題においては、様々な(超)好熱アーキア、バクテリアにおいてゲノム情報からその存在が推測される不完全型のTCA回路(クエン酸回路)の機能を明らかにするため、安定同位体トレーサーを用いたメタボローム解析を中心とするマルチオミクス解析を実施した。また、本研究の過程において、キャピラリー電気泳動とOrbitrap Fusion Mass Spectrometerを組み合わせる(CE-Orbirap Fusion MS法)ことにより、従来の手法より格段に少量の試料で、高精度なデータ取得が可能なアミノ酸を対象とする新たな代謝解析手法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において確立したCE-Orbirap Fusion MSによる代謝解析手法は、理論的にあらゆる単離微生物に対して僅か試験管1本で中央代謝経路及びアミノ産生合成経路を検証することを可能とする。つまり、本技術は、新規代謝経路の探索を容易とするだけでなく、ポストゲノム情報に不可欠な代謝マップ等の精度の向上に大きく貢献するポテンシャルを有すことを意味する。また、この技術を用いることにより、従属栄養性の超好熱バクテリア等におけるCO2固定能が従来の想定より相当程度大きいことを明らかにした。今後、これらの知見は微生物を用いる物質生産システムの構築にも貢献するであろう。
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