研究課題
基盤研究(A)
がんの発生や悪性化プロセスにおける幹細胞特性・未分化形質(ステムネス)の獲得は重要な生物学的特徴であり、その制御機構の解明は、がんの本態解明の手掛かりとなる。最近、がん細胞で特異的に産生される代謝物が発がんの原因となり、その阻害が分化誘導を惹起するなど、「代謝とステムネス」の密接な関係が浮き彫りになってきた。本研究では、発がんに寄与する代謝経路やメタボライトの特定、治療抵抗性とステムネスを制御する代謝経路の特定を進め、がんステムネスの獲得・維持機構を明らかにする。
本研究では、発がんに寄与する代謝経路やメタボライトの特定、治療抵抗性とステムネスを制御する代謝経路の特定を進め、がんステムネスの獲得・維持機構を明らかにすることを目的とした。その結果、白血病および脳腫瘍において、リソソームによる代謝制御ががんの悪性形質に重要な役割を果たすことを見いだした。リソソーム異常はクロマチン制御にも密接に連動することから、運命決定に寄与することが示唆された。また、リソソームを標的とした新規治療法の開発にも寄与できる知見を得た。今後、本研究を展開することで、がんの本態解明にとって有効な切り口となると期待された。
昨今、がんの代謝制御の重要性が認知され、国内外で精力的に研究が進められている。特に、代謝酵素は治療標的としての創薬に直結する可能性が高いため、産業的な発展を念頭に精力的に研究が推進されている。今回の研究では、このような代謝制御ががん細胞の運命決定に寄与していることを明らかにできた。今後、代謝経路の同定、新規のメタボライトの同定とその制御機構、代謝物によるがんの不均一生という観点での研究を展開することで、新規がん診断・治療薬の開発につながると考えられた。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 8件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 13件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件、 招待講演 11件) 産業財産権 (2件)
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