研究課題/領域番号 |
19H01088
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京都立大学 (2021-2022) 慶應義塾大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
金子 文成 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (00344200)
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研究分担者 |
川上 途行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (80424133)
新藤 恵一郎 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任准教授 (70338177)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)
2022年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2020年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2019年度: 17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
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キーワード | 運動錯覚 / 痙縮 / リハビリテーション / 理学療法 / 脳 / 視覚誘導性自己運動錯覚 / 脳機能 / リハビリテーション科学 |
研究開始時の研究の概要 |
痙縮は脳卒中や脊髄損傷などの中枢神経系損傷後にみられる異常な筋緊張であり,運動麻痺症状の一つである。従来から伸張反射の異常な亢進として理解されている。拘縮の原因となるため,痙縮の低減はリハビリテーション医療における重要な課題である。 本研究ではこの痙縮について,これまで開発した非侵襲的治療方法を実施してその効果の機序を解析し,その知見に基づいてさらに新規介入試験を実施することで痙縮発生機序を解明する。特に新規性が高いのは,従来は脊髄神経回路での発生機序が議論の中心であったのに対し,今回は上位中枢を含めた神経回路と痙縮との関連を明らかにする点である。
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研究成果の概要 |
①視覚による運動錯覚治療(KINVIS療法)による脳卒中後重度片麻痺患者の運動機能改善は,痙縮低減を介して生じることが示唆された。②脳卒中後重度片麻痺患者において,皮質脊髄路残存機能と痙縮の関係,そして皮質網様体路・脊髄路の機能的平衡が運動麻痺・痙縮に対して強く影響することを示唆する結果が得られた。③視覚による運動錯覚中に,脊髄内での抑制が増大することが示唆された。④開発した機器が,痙縮の特徴である筋緊張の速度依存性の変化を検知できることが示された。⑤痙縮を呈する重度麻痺患者において,KINVIS療法と補足運動野への反復経頭蓋磁気刺激の併用が痙縮低減に対して効果的である可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
痙縮は運動麻痺に伴う主要な症状で,脳卒中,脳性麻痺,脊髄損傷など疾患横断的に発生し。痙縮が起因して運動機能障害を来している方々は全国で少なくとも100万人以上と想定できる。本研究では,これまで課題であった痙縮の定量的評価法について取り組み,表面筋電図データ,トルクデータを基に定量化できる方法を確立した。ヒトを対象とし,痙縮の神経生理学的メカニズムを実証するための研究を行い,皮質網様体路と皮質脊髄路の機能的平衡が関わる可能性を見出した。その結果を基に,臨床神経生理学に基づくニューロリハビリテーション手法の開発・介入試験を継続して行い,臨床現場で活用可能なデバイスを提供する状態にまで至った。
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