研究課題/領域番号 |
19H01131
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
高橋 晋 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (20510960)
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研究分担者 |
藤山 文乃 北海道大学, 医学研究院, 教授 (20244022)
苅部 冬紀 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60312279)
井出 薫 同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (90806671)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2022年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2021年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2019年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | 場所細胞 / 海馬 / エピソード記憶 / リプレイ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、動物が道に迷い静止した際に、海馬の場所細胞が移動中の約10倍速の早送りモードで再活性化される「リプレイ」現象に着目し、そのリプレイと、そこで表現されるエピソード記憶の因果関係を解明することを目指す。それは、独自の電気生理学的記録法に光遺伝学を活用した神経刺激法を組み込むことで、エピソード記憶を想起するメカニズムを、従来不可能であった神経細胞レベルで実証することでもある。同時に本研究では、認知神経科学、情報工学、電気生理学、光遺伝学を融合し、神経細胞活動が表現するエピソードの記憶を操作する独創的な技術を開発する。
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研究成果の概要 |
海馬内のシータ帯域とガンマ帯域の局所脳波間の連関が記憶の想起に深く関与することなど、多数の報告をすることができた。リプレイ現象を操作するための技術開発においては、電気生理学的記録法と光遺伝学を活用した神経刺激法それぞれにおいて、飛躍的な進展があり、国際学術誌を含む多数の研究成果を報告することができた。更に、それらの手法をリアルタイムに直結することで、ターゲットとなる神経細胞の活動を選択的かつリアルタイムに変容させることに成功した。加えて、エピソード記憶の想起メカニズムを調べるため、同一の外部環境下で複数のエピソードを経験させる課題を構築するための再構成可能な迷路を独自に開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、エピソードを含む記憶の想起に深く関与する脳部位や神経伝達物質を明らかにしたとで、エピソード記憶の神経基盤に関する新たな知見を提供した。また、神経細胞活動をリアルタイムで変容する技術を開発したことで、将来的に認知障害の治療法開発に寄与する可能性を示すことができた。さらに、同一環境下で複数のエピソードを経験させる再構成可能な迷路は、神経科学や行動科学研究に幅広く活用可能であり、生物学基礎研究に再現性や信頼性のある実験をもたらす可能性がある。
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