研究課題/領域番号 |
19H01159
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北川 尚美 東北大学, 工学研究科, 教授 (00261503)
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研究分担者 |
廣森 浩祐 東北大学, 工学研究科, 助教 (80828062)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
46,280千円 (直接経費: 35,600千円、間接経費: 10,680千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2020年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2019年度: 23,920千円 (直接経費: 18,400千円、間接経費: 5,520千円)
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キーワード | 潜熱蓄熱材 / 脂肪酸エステル / 融点推算法 |
研究開始時の研究の概要 |
省エネ技術の1つに、潜熱蓄熱材をマイクロカプセル化して分散させた建材用蓄熱シートがある。従来オレフィンなどの有機物が主であったが、近年、持続性や安全性の高いバイオマス由来品への切り替えが望まれている。植物油とアルコールのエステルは脂肪酸組成によって広範な融点を持つため、保持温度を自由に設定できる可能性がある。しかし、市販品の種類が限定されており高価、熱化学特性も明らかではない。本研究では、独自の樹脂触媒法を用い種々の廃棄物系脂肪酸を原料として脂肪酸エステルを合成、熱化学特性を評価する。反応物の構造が熱化学特性に及ぼす影響を表現できるモデルを構築、所望の融点を有する蓄熱材の設計法を確立する。
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研究成果の概要 |
省エネ技術として潜熱蓄熱材をマイクロカプセル化して分散させた建材用蓄熱シートがある。化石資源由来のオレフィンが主であったが、持続性や安全性の高いバイオマス由来品への切替が望まれている。油とアルコールのエステル(FE)は、脂肪酸組成によって広範な融点を持つため保持温度を自由に設定できる可能性があるが、合成が難しく熱特性も明らかでない。本研究では、種々の炭素鎖長のFEを合成して熱特性を測定、建材用蓄熱材に適切なものを見出した。より細かな融点調整のため、二成分系での融点の推算法を確立した。また、結晶構造が未知のFEの融点と潜熱を精度よく推算する手法を確立、所望温度域に融点を持つFEの設計を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物油とアルコールのエステルは、バイオマス由来建材用蓄熱材として期待されているが、脂溶性と水溶性の物質を結合させるため合成が困難で、実用化のボトルネックであった。代表者は油水エステルの効率的な合成技術を有しており、これを活用し48種のFEを合成、その熱特性を世界に先駆け明らかにした。また、建材用蓄熱材は地域の気候に応じた融点調節が必要で、試行錯誤的に探索されていたが、目的の融点を達成するにはどのFEをどのような組成で混ぜるとよいかを簡単に予測可能な方法を確立した。最近英国の油脂会社でFEの販売が開始したが、種類も少なく高価である。本研究成果によって多種多様なFEをより安価に提供可能となる。
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