研究課題/領域番号 |
19H01255
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
下地 理則 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (80570621)
|
研究分担者 |
原田 走一郎 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (00796427)
白岩 広行 立正大学, 文学部, 准教授 (30625025)
平子 達也 南山大学, 人文学部, 准教授 (30758149)
野間 純平 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 講師 (30780986)
大槻 知世 静岡英和学院大学, 人間社会学部, 講師 (30805205)
小西 いずみ 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (60315736)
平塚 雄亮 中京大学, 文学部, 准教授 (70757822)
日高 水穂 関西大学, 文学部, 教授 (80292358)
久保薗 愛 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (80706771)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
|
キーワード | 言語学 / 言語類型論 / 格 / 情報構造 / 方言研究 / 格標示 / 日琉諸語 / 有標主格性 / 方言 / 有標主格 / 日本語学 / 方言学 / 琉球語 / 琉球諸語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,琉球諸語および本土諸方言(以下,日琉諸語)を対象に,言語類型論で 大きな注目を集めつつある有標主格(marked nominative; Dixon 1994)という格配列パターンに 着目して,その共時的バリエーションの実態を記述する基礎的な研究を行うことである。有標主格は,類型論では例外扱いされるほど僅少であると考えられている(Dixon 1994, Handschuh 2014)。有標主格の言語は希少であるから,現時点で一番必要な研究は,有標主格とみられる個別 言語の実証データの詳細な報告と多角的な分析である。
|
研究成果の概要 |
本研究は、大まかに言って以下の2つの大きな成果があった。①有標主格を程度問題として捉え、それを有標主格性と呼んだ時、日琉諸語は大きく2つの方言類型に区分できることがわかった。東日本方言は有標主格性を欠き、逆に無標主格性が強い無標主格タイプであるのに対し、西日本・琉球諸語のほとんどは有標主格性を強くもつ有標主格タイプである。②上記の類型に際して、それを裏付ける実証データをさまざまな方言から得られた。特に、補助期間中のほとんどを占めたコロナ禍による行動制限(すなわち現地調査に関する制約)下において、既存の談話資料の整理が進み、それをもとに統計的な観点から有標主格性を考えるという視点が得られた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、世界的に僅少で、その存立基盤について詳細がよくわかっていなかった有標主格という格体系について、日琉諸語の方言データが有益であることが示された。そもそも、これまでの有標主格の類型論において、日琉諸語データは全く注目されていなかったが、本研究によって日琉諸語にもこのような格体系が存在すること、さらに(有標主格を程度問題として考えれば)さまざまな方言がこの特徴を有することが示された。研究成果の中には英語で書かれた書籍やペーパーも多く、これらによって、上記の事実を広く世界に知らせることができたと考える。
|