研究課題/領域番号 |
19H01280
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2023) 横浜国立大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
尾島 司郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40404959)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | 早期英語教育 / 第二言語習得論 / 言語脳科学 |
研究開始時の研究の概要 |
外国語学習が学習者の年齢によってどう変化するのかは、学術的にも社会的にも重要な研究テーマである。言語習得におけるこども・年少者の優位性が出現するためには子どもの内に数千時間、対象言語に触れる必要がある。そのような超長時間の英語学習を家庭で行っている日本人の子どもが、極めて高い英語力を身に付けている事例がある。本研究では、子どもに最適な脳機能計測パラダイムを構築し、子どもの脳に対する超長時間の英語学習の影響を、英語、日本語、認知能力の3側面から調べ、早期英語学習の認知脳科学という研究領域の基礎を作ることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、幼少期から長時間の英語学習に取り組んだ子どもの日本語母語話者の英語力、日本語力、一般認知能力について調べている。当該年度においては脳波を用いた脳機能計測、英語スピーキングデータの取得、国語のペーパーテストによる国語力検査など、トータルで150件以上の実験・調査を実施した。当該年度はコロナ禍の3年目であるが、1・2年目にほとんどデータの取得が出来なくて研究が進まなかった状態から、やや盛り返すことが出来た。 脳波を用いた脳機能計測においては、小学生と大人(大学生)より、日本語および英語の単語に対する脳反応を取得した。様々な英語レベルが想定されたため、まずは言語の基礎となる単語に焦点を当てて実施した。今年度取得した単語に対する脳波データは、まずは大人のデータの一次的な分析を行ったところ、少し先行研究とは違う結果が得られたため、原因について考察している。小学生についても多くの脳波データが取得できたが、英語学習経験の属性に基づきグループ分けすると、人数が十分でないグループもあるため、今後もデータ取得が必要である。 英語スピーキングについては、数年前から用いている実験手法が高レベルの英語学習者を対象にしたものだったため、もう少し低いレベルの学習者でも取り組めるような実験手法を新たに取り入れた。これにより、以前より広い英語レベルの子どもたちから英語スピーキングデータを取得することが可能になった。得られたスピーキングデータについては、発話分析の標準的な分析手法を応用しながら、流暢性などの側面から分析を進めたが、完了には遠く、今後も継続していく。国語テストの結果においては、子どもの英語学習経験に起因すると思われる興味深い傾向が見え始めているが、より確実な結果を得られるように、今後も実施と分析を続けていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はだいぶ盛り返すことが出来たが、コロナ禍の1・2年目に人との接触を伴う研究が出来なかったことや、大学の教育・運営を優先せざるを得なかったことの影響が残っている。また、今年度末で所属大学を辞めることになり、研究室を畳まなくてならなくなったため、実験に使える時間が限られた。
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今後の研究の推進方策 |
この1年で多くのデータを取得することが出来たので、詳細な分析を進めるとともに、足りてないデータについては取得しながら、具体的な成果発表につなげていきたい。次は5年計画の最終年度となるので、研究を継続していくために、新たな研究費の獲得を目指したい。社会的に注目されやすい研究テーマとなっているため、成果の社会還元についても取り組む。
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