研究課題/領域番号 |
19H01360
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 花園大学 |
研究代表者 |
高橋 克壽 花園大学, 文学部, 教授 (50226825)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 古墳の周濠 / 音波探査 / レーダー探査 / 墳丘復元 / 湛水状態 / 古墳の思想 / レーダ―探査 / 古墳 / 周濠 / 物理探査 / 若狭 / 水利 / 陸橋 / 渡土手 / 堰状遺構 / 水位調節 / 他界観 / 造り出し / 墳丘 / 島状遺構 / 探査 / 深浅測量 / 堆積層計測 / 西塚古墳 / 水面下 |
研究開始時の研究の概要 |
古墳時代に築かれた巨大な前方後円墳は多くが周囲に濠を廻らしている。しかし、その多くが後世に灌漑用に水を多く溜めるため、あるいは整備目的で改変されたもので、本来の姿かどうか怪しい。また、築造規格に関する復元研究や、古墳の周囲に配備される造り出しや島状施設、渡り土手などの把握に対しても、周濠は大きな障害である。 そこで、最新の科学技術の探査法を使って、水面に浮かべたボートから水底の形状や、その下に埋もれている上記各施設などの存在に関わるデータを収集する方法を確立することが第一の目的である。 そうしたデータを現状で水を湛えていない古墳の物理探査データと合わせて本来の古墳の姿を復元する。
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研究成果の概要 |
本研究は、湛水状態の古墳の周濠の調査方法を開発することを主な目標とした。そのために、最初にスワス音響測深機と音波探査機SH-20を用いた堆積層計測を併用することを考え奈良県奈良市ウワナベ古墳で実施した。ウワナベ古墳はその後、宮内庁と奈良県・奈良市が部分的な発掘調査をしたので、その結果と照合し、精度と改善点を確認した。次にサブボトムプロライラ―SB‐216Sを用いた音波探査を大阪府堺市ニサンザイ古墳と奈良県川西町島の山古墳で実施し、探査測線を密に設けることで後者で島状施設のある可能性を指摘できた。 また、福井県若狭町脇袋古墳群の発掘で周濠の貯水や給排水に関わる知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の古墳はその主要なものには周濠がともなっており、泥と水に覆われているため周濠内部が本来どのような状態であったのかうかがい知れない。本研究ではその未解明な部分に対して有効な科学的な探査法を編み出すことに主眼を置いた。その結果、サブボトムプロファイラーを用いた高密度の探査が有効であることが判明した。今後事例を増やしていけば、周濠内の島状施設や渡り土手、堰状遺構などの諸遺構が実際にはどの程度存在していたのか、周濠がどれくらい水を湛えていたのかなどを考えることができるようになるだろう。これまでまったく手のつけようのなかった濠の内部の状況がわかれば、古墳そのものへの理解も進むと考えられる。
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