研究課題/領域番号 |
19H01382
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 愛知大学 (2020-2022) 名古屋大学 (2019) |
研究代表者 |
岡本 耕平 愛知大学, 文学部, 教授 (90201988)
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研究分担者 |
高木 彰彦 九州大学, 人文科学研究院, 特任研究員 (90197054)
熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 名誉教授 (80153344)
葉 せいい 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (30242332)
池口 明子 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (20387905)
紺屋 あかり 明治学院大学, 国際学部, 講師 (90757593)
杉江 あい 京都大学, 文学研究科, 講師 (10786023)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 南洋 / 東南アジア / オセアニア / 地政学 / 地理教育 / 地誌 / 脱植民地化 / 台湾 / 沖縄 / パラオ / 地域研究 |
研究開始時の研究の概要 |
「南洋」とは、第2次大戦前・戦中の日本で、現在の東南アジアからオセアニア島嶼部にかけての地域を指して使われた地域名称であり、当時の日本の地理学者は「南洋」に関する多くの地誌書を著した。本研究の中心的な学術的問いは、次の2つである。1)戦前・戦中の南洋地域を扱った地理学(南洋地理学)が、戦後の地誌・地域研究にどのような影響を与えたのか。そこには、いかなる連続と断絶があるのか。2)現在の日本の地理学が、こうした南洋地理学の系譜から何を学び、その教訓をどのように活かすことができるのか。
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研究成果の概要 |
第2次世界大戦の戦前から戦中にかけて、日本の地理学者は「南洋」に関する多くの地誌書を著した。しかし敗戦後、「南洋」という地域表象は、欧米から持ち込まれた「東南アジア」や「オセアニア」という地名に置き換わり、あたかも過去とは無関係かのように戦後の東南アジア・オセアニア地域研究がスタートした。 本研究は、戦前・戦中の南洋を対象とした日本の地理学(南洋地理学)の営みを批判的に検討したうえで、現代の地誌・地域研究は、南洋地理学からの教訓、戦後の地誌・地域研究についての議論、欧米のポストコロニアル的「熱帯地理学」批判などをふまえ、どのように新たな展開をしていけばよいのかを考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦前・戦中、地理学者によっておびただしい数の南洋を扱った書物・論文が刊行された。 しかし、これらの検討はタブー視され十分になされてこなかった。本研究は、南進論以後の「南洋地理学」を単に悪しき地政学的研究として批判的にみるだけでなく、当時の日本の地理学の学問的水準もくみ取って評価した。その結果、地政学研究において「大東亜共栄圏」という日本の勢力圏とその正当性の根拠が語られる一方,ローカルな地域や「民族」に対してはフィールドワークを欠いた自国中心的な記述・評価に支配されていること、「南洋」という地域をめぐる表象が、戦前・戦中に地誌書や地理教育の中で提示され、一定の影響力を持ったことが明らかとなった。
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