研究課題/領域番号 |
19H01403
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
尾崎 一郎 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (00233510)
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研究分担者 |
堀田 秀吾 明治大学, 法学部, 専任教授 (70330008)
徐 行 北海道大学, 大学院法学研究科, 准教授 (30580005)
郭 薇 北海道大学, 大学院法学研究科, 准教授 (80733089)
山本 龍彦 慶應義塾大学, 大学院法務研究科(三田), 教授 (90440370)
町村 泰貴 成城大学, 法学部, 教授 (60199726)
池田 公博 京都大学, 大学院法学研究科, 教授 (70302643)
米田 雅宏 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (00377376)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 相互監視 / 社会的制裁 / 炎上 / インターネット / 表現の自由 / プロバイダ責任 / プラットフォーム / 分散的制裁 / 生ける法 / 法意識 / 情報社会 / ネットワーク社会 / 法秩序 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ツイッターやフェイスブックに投稿された愚行に関するいわゆる「炎上」に見られるように、近時ネット上で頻繁に見られるようになっている私人間の相互監視と過激な制裁行動を実証的に分析し、個人の自由やプライバシーや適正な手続といった国家法の理念から乖離した一般人の法意識を明らかにする。現代のネットワーク社会において人々が抱いている秩序意識の構造を解明することで、人権を基軸とした法の理念と安全や道義性を重んじる社会の規範意識とを適切にすり合わせることのできる新しい国家法の役割を示すことができる。情報通信技術が高度に発達した現代社会における法の位置付けを再考する研究である。
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研究成果の概要 |
現代日本社会において頻発している市民間の自発的な相互監視と分散的な社会的制裁について、ネット空間におけるその言説のありようを分析し、背後にある人々の法意識を解明した。その結果、ネット上の「炎上」の頻度は高まる一方で内容も過激化していること、すなわち、社会の構成員が国家法的制裁以上に効率的で効果的な制裁を意識的・意図的に実施する手段としてインターネットを介した攻撃を行っていることが明らかになった。そこには法を確信犯的に回避したり併用したりして一定の正義感を効果的制裁に短絡する能動的な意識が見出せる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
いわゆるネット炎上については、それによる名誉毀損やヘイトスピーチ、ひいては各種の人権侵害への法的対応の必要性と、ネット空間における言論、思想の自由とのバランシングという形で、法学者により論じられている。今回の研究が見出したのは、他者の非違行為を瞬時に炎上させ、故意に苛酷な制裁を科し続ける人々における、確信犯的な意識である。法制度は制裁に資するときのみ援用され、それ以外は端的に無視される。本研究は法システムの根源的な相対化が現実化しつつあることを法学界に示すものである。
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