研究課題/領域番号 |
19H01452
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2020-2022) 国際大学 (2019) |
研究代表者 |
篠原 舟吾 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (00822751)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | オリンピック / 疑似実験 / 市民と政府 / 市民社会 / 行政 / 地域社会 / 市民参加 / コロナ感染 / 市民参画 / 実験 |
研究開始時の研究の概要 |
国際オリンピック委員会(IOC)は、「オリンピックには、開催都市のコミュニティを大きく変化させ、持続的な利益をもたらすパワーがある」と謳い、これを「オリンピック・レガシー」と呼んでいる。これに伴い、2020年東京オリンピックも、ボランティア文化の定着及び地域の連携を「大会後のレガシー」として残すことを公式テーマに掲げている。本研究は、疑似実験を用い、東京オリンピックが都民のボランティア活動、地域への密着度、行政参加に及ぼす影響を計量分析し、オリンピックがもたらす社会効果が「レガシー」と呼びうる長期的かつ社会的意義のあるものなのか検証することを目的とする。
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研究成果の概要 |
東京オリンピックが都民の東京都への評価に与えた影響を測るため、本研究は2019 年から2022 年に東京、名古屋、大阪の各都市1000 人以上(計3115 人)の住民を対象にパネル調査を実施した。本調査では、東京都が2020 年オリンピック開催に向けて強化した政策の質、政策過程、そして居住自治体への信頼について質問した。データ分析には、都民の東京都に対する業績評価と、名古屋及び大阪市民の評価を2020 年前後で比較する差分の差分法を採用し、オリンピック関連政策の効果を特定した。分析結果は、政策の質及び過程の評価に対しp 値10%未満の負の影響、信頼に対するp 値5%未満の負の影響を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オリンピックが開催都市に与える影響の既存分析は、経済効果を中心にほとんど影響がないことを定量的に示してきた。しかしながら、オリンピックの長期的社会効果(社会レガシー)については定量的検証がされていない。本研究は、4 年に亘る初の社会レガシーの定量分析であり、分析結果はオリンピックが開催都市政府と市民との関係に負の影響を与える可能性を示した。疑似実験手法は負の影響を厳密に証明しえないが、IOC が主張する長期的正の社会効果がない可能性を示唆する。本研究は、開催都市の税金を用いて開催されるオリンピックの民主的意義について新たな議論を提起する。
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