研究課題/領域番号 |
19H01468
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石田 潤一郎 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (40324222)
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研究分担者 |
陳 珈惠 京都大学, 経済研究所, 准教授 (20768238)
中村 友哉 明治学院大学, 経済学部, 教授 (70706928)
犬飼 佳吾 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (80706945)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | バンディット問題 / イノベーション / 知識探索 / 評判形成 / シグナリング / 制度設計 / 単一交差性条件 / 戦略的試行 / 経済実験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,知識の探索と活用のトレードオフを個人レベルで明示的に記述し分析することで,イノベーション創出の内部構造への包括的な理解を得ることを目的とする.理論的には,戦略的試行モデル(strategic experimentation)の枠組みを「組織」と「市場」という二つの観点から拡張することで,組織における権限構造やリーダーの特性,そして市場環境における競争の程度や報酬の分布といった制度的要因が知識探索のインセンティブに与える影響を分析する.また,知識探索活動における理論予測のパフォーマンスを実験的手法により検証することで,イノベーションを創出する望ましい制度のあり方について検討する.
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研究成果の概要 |
本研究は,多腕バンディット問題の枠組みを戦略的環境に応用した戦略的実験(strategic experimentation)モデルを拡張し,市場における評判形成のインセンティブや市場競争環境が,知識探索のインセンティブとイノベーションの創出頻度に与える影響について分析を行った.また,この研究過程において,動学的学習環境における評判形成インセンティブの分析では,通常のシグナリングモデルにおいて仮定される単一交差性条件を満たさないことが明らかとなったことから,こうした環境に適用できる基礎的な理論分析手法の開発と均衡の特徴づけを行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単一交差性条件が成立しない環境でのシグナリング行動については,これまでインセンティブ構造や均衡の性質を含めてその理論構造についてはほとんど何もわかっておらず,知識探索過程のような複雑な環境における評判形成インセンティブの分析を行う上での大きな障害となっていた.本研究で開発した分析手法は,こうした問題を含む幅広い環境に応用が可能であり,イノベーションにおける評判形成インセンティブの役割のみならず,これまで十分な分析が行われなかった数多くの社会問題について新しい知見を提示できるものと考える.
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