研究課題/領域番号 |
19H01511
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 大阪大学 (2022-2023) 国士舘大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
阿部 武司 大阪大学, 大学院経済学研究科, 招へい教員 (10151101)
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研究分担者 |
平野 恭平 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (10509847)
結城 武延 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (80613679)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | ヒック・ハーグリーブズ / プラット・ブラザーズ / 石河正龍 / 山辺丈夫 / 綿紡績業 / 技術移転 / イギリス / 紡績聯合会 / ヒック・ハーグリーブス |
研究開始時の研究の概要 |
近代産業の移植の成功例とされ、夥しい研究が蓄積されてきた日本の綿紡績業に関して、考察されるべき論点はまだ多い。その1つがイギリスからの技術移転の実態の解明である。初期の工場を誰がどのように設計したのかという点について我々は、英国のプラット・ブラザーズとヒック・ハーグリーブズが各々紡機の据え付けと、動力機の配置などの工場の設計を分担していたという仮説をもっており、まず内外にわたる資料調査を経てこれを実証する。また、その後の技術普及に果たした日本人技術者の役割を検討し、新技術が産業全体にいかに定着していったのかを考察する。その上で、発展途上国日本がなぜ工業化を開始できたのかという問題を解明したい。
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研究成果の概要 |
日本の工業化を牽引した綿紡績業の発展は、19世紀後半におけるイギリスからの技術移転によって実現した。本研究の課題は、この技術移転の実態を、イギリスおよび日本の一次資料を駆使して解明することであった。研究期間中の大部分をコロナ禍の下に置かれ、本研究の眼目である英国への出張のみならず国内でも移動も困難な中で我々は、オンライン会議を通じて相互に連絡をとりつつ、思考を重ねて、さらに成果の公刊に務めた。とりわけ、コロナ禍の前後に実現できたイギリスでの資料調査の成果はすでに公開されつつあるが、そこで明らかにされたエンジニアリング企業の機械配置(ミルライト)や工場設計という新事実は画期的な発見といえよう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
19世紀後半の日本綿紡績業がイギリスからどのように技術移転を進めたかという問いに対しては夥しい先行研究が一応の回答を与えているものの、未解明の論点は多数残されている。その1つに、英国オールダム市の世界的紡織機メーカー・プラット社が、紡績工場の機械配置(ミルライト)や工場設計を行っていたという漠然とした推測が挙げられるが、研究期間内に3回、英国へ出張して閲覧し写真撮影できた、ボルトン市図書館が保管する工場図面に基づいて我々は考察を進め、ボイラー等を製造するエンジニアリング企業のヒック・ハーグリーブス社がミルライトを担当していた事実を明らかにし、研究史上の重要な一論点を書き変えることができた。
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