研究課題/領域番号 |
19H01565
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
石井 まこと 大分大学, 経済学部, 教授 (60280666)
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研究分担者 |
中澤 高志 明治大学, 経営学部, 専任教授 (70404358)
阿部 誠 大分大学, 経済学部, 客員研究員 (80159441)
相川 陽一 長野大学, 環境ツーリズム学部, 教授 (90712133)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 地方創生 / 多様な就業 / ライフコース / 人的つながり / 地域おこし協力隊 / 地域づくり / トランス・ローカル / 自営 / 非雇用 / 営み / キャリア形成 / ライフスタイル移住 / なりわい / つながり / 雇われない働き方 / 生活志向 / 事業志向 / 起業 / 多依存 / 生業 / 地方圏 / 多様な経済 / 自営業 / 公共セクター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、各主体がなぜ地方圏で創業・起業・就業をしているのか、なぜ条件困難地域である地方圏で事業を始めようとしたのかを明らかにし、その意義を評価していく。このことは、地方圏で必要とされる財・サービスが行政だけてはなく、各々の経済社会主体が自らの手で手掛けようとした動機や経緯を探っていくことを通じて「地方創生」の可能性を明らかにする試みである。本目的のため、地方圏創業者を対象とするインタビュー調査から「人的つながり」を発見し、その意義と可能性の検討し、その「つながり」がもたらすセーフティーネット機能を解明することを通じて、「地方創生」に関する国内の研究水準を高めていく。
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研究実績の概要 |
本研究では地方圏における多様な就業作りを可能にする「人的つながり」の重要性と「多様な経済」の展開を明らかにすることを目的としている。今年度の発見は以下の点である。第一に、雇用と雇用以外の働き方の境界が曖昧になっている点である。働き方の主流である雇用とは異なる働き方を追及する人々が地方圏にも多数いることが明らかになった。地方圏は雇用面では衰退しつつも、自営・非雇用を通じた仕事を作りだす人々がおり、雇用創出では捉えられない仕事が作り出されている。第二に、それら自営・非雇用は、地方圏内の「人的つながり」だけではなく、地域を超えた「人的つながり」にも支えられている点である。多くは消費という行動を通じて地域をこえて繋がっているが、単なる商取引をこえた依存関係が生まれている。このトランス・ローカルな関係が地方圏で自営・非雇用で働く支えにもなっている。第三に、雇用におけるキャリア研究に比べ、自営・非雇用のキャリア研究が少なかったが、今回の調査をふまえて、自営・非雇用のキャリアやライフコースのデータが収集できている。特に、どこで暮らし働くかを決める要素は多様であることや、地方圏で仕事を生み出す人は、場所を創る志向性が強い傾向が見受けられた。それは、調査対象者のライフコースと強く関係していると考えられ、これまでのライフコースにおいて欠けていた部分を作り出す「営み」を仕事にしているとも言える。これら地方圏で展開される自営・非雇用キャリアルートは、産業化されたキャリアルートとは異なっており、働く目的が、働くことそのものであり、家族・社会関係を組み込みながら、オーダーメイドのライフコースが組み立てられていた。こうした地方圏において移住・定住を伴うライフコースによって、地域の仕事が創りだされていた。これらライフコースの展開が地域づくりになっている側面をふまえて、研究成果を総括していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、調査対象者も選定・調整に時間が取られているため。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍は落ち着つつあり、調査活動は再開可能となっている。大枠のデータは得ることができており、総括のための研究チーム内での意見調整をふまえて、次年度には総括としたい。
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