研究課題/領域番号 |
19H01655
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
中川 敦子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (90188889)
|
研究分担者 |
野村 香代 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 講師 (10467227)
永井 幸代 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30769550)
宮地 泰士 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (60444345)
鋤柄 増根 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (80148155)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | 縦断研究 / 乳幼児 / 感覚運動機能 / 気質 / 注意 / 感覚運動 / 運動感覚機能 / 社会性発達 / 極低出生体重児 / 発達障害 |
研究開始時の研究の概要 |
3群の乳幼児を対象に,自己制御の気質次元(effortful control)が注意の神経回路網と関連すると考える立場から,気質質問紙と眼球運動計測を行って注意機能の初期発達を縦断研究してきた。①環境省の大規模疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の参加児 ②極低体重出生児フォローアップ群 ③一般乳児群。これら3 群の本研究結果をそれぞれ乳幼児期のデータと連結し,精神神経発達における問題の早期徴候を明らかにし,我が国の子育て支援に貢献することを最終目的とする。
|
研究実績の概要 |
神経発達の問題の早期兆候を明らかにすることを目的に、3群(環境省エコチル追加調査参加者、極低出生体重児群(出生体重1500g未満)、一般児群)を対象に縦断研究をおこなってきた エコチル追加調査では、5歳半の協調運動発達の評価を、Developmental Coordination Questionnaire (DCDQ)を用いて行い、その合計得点が全体の-1.5SD以下の82名をDCD群、-1.5SDより高い値の1205名を定型発達(Control)群とした。両群の2歳、3歳半、5歳半時点の気質特性を調べた結果、DCD群はControl群に比べ、全ての時期でEffortful control(自己制御性)が有意に低く、Negative affect(負の情動性)が有意に高かった。また、3歳半時にEffortful controlが高い方が5歳半時の協調運動発達の予後が良く、3歳半時のNegative affectが高い方が5歳半時の協調運動発達の予後が悪い傾向がみられた。 一方、早産・極低出生体重(VLBW)児は、社会的刺激への注視が少ないことが指摘されているが、彼らは正期産児よりも自閉スペクトラム症(ASD)等の発達障害のリスクが高く、注視の少なさが低出生体重児の特徴であるのか、発達障害の影響であるのかは明らかではない。そこで、VLBW児と一般児の注視率の縦断的変化と発達予後との関連について検討した。その結果、VLBW児の総注視率は一般児に比べて総じて低く、注意欠如多動症(ADHD)特性をもつVLBW児は月齢があがっても、ばらつきが大きかった。 そのほか、ASDのハイリスク児では左視野への注意の解放が困難であるという先行研究に依拠して、一般児群において注意の解放と気質の関連を調べた。その結果、月齢6か月で左視野への注意の解放の困難さとなだめにくさの関連が認められた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍にあったため、一時、極低出生体重児群、一般群の両群の縦断研究が滞ったので、その後、データ処理や成果発表が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
エコチル追加調査に関しては引き続き調査を継続し、これまで集積してきたデータについてはを連結し分析にはいる。また、一方で、本研究の成果を社会的還元することにも努め、学術集会のみならず、メディカルスタッフや教育関係者の研修会や、市民の公開講座などにも積極的に参加する。
|