研究課題/領域番号 |
19H01736
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松浦 拓也 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (40379863)
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研究分担者 |
雲財 寛 東海大学, 児童教育学部, 講師 (00806838)
木下 博義 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (20556469)
三好 美織 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80423482)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 科学的推論 / 高次思考スキル / 指導法 / 諸外国との比較 / メタ認知知識 / カリキュラム / メタ認知 / 理科教育 / 児童生徒 / 教授-学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、科学的推論とメタ認知を中心とする高次思考スキルを、これからの時代に求められる科学的問題解決・探究を遂行する能力の中核として措定し、理科の教授-学習過程を通して児童生徒に高次思考スキルを育成するための理論的・実践的研究に取り組む。そのため、まず、高次思考スキルとしての科学的推論とメタ認知の関係性を整理し、理科の学びにおいて基盤となる能力を高次思考スキルという観点から具体化する。また、理科の授業における教師の指導とその意図が高次思考スキルの育成に及ぼす影響、および児童生徒の高次思考スキルの実態について比較・実態調査に基づいて分析・考察する。
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研究実績の概要 |
21世紀の教育の成果に対する期待は、統合、分析、評価という高次の思考にますます焦点が当てられている(Osborne, 2013)。そこで、高次思考スキルとしての科学的推論とメタ認知の関係性を現代的視座に基づいて整理し、理科の学びにおいて基盤となる能力を高次思考スキルという観点から具体化・精緻化することを目指した。 Schraw & Robinson (2011)によると、高次思考スキルとして、推論スキル、議論スキル、問題解決&クリティカルシンキング(CT)、メタ認知の4つの要素が挙げられている。これらのスキルは、過去数十年にわたり、科学教育に関する多くの研究で扱われており、相互に関連し、かつ互いに影響し合っている。これらの能力は、問題解決や思考をよりよく実行するために相互に関連して機能すると考えられているが、ある程度の領域特異性もあると考えられており、科学教育の文脈でさらなる実証研究が必要である。そこで、理系という特異な文脈を考慮し、CTが機能する領域として科学的推論に着目し、CTの成否とメタ認知の関係を検討することで、これらのコンピテンシーの関係性を明らかにできるのではないかと考えた。 調査の実施においては、一定程度の推論能力及びメタ認知知識を有していると想定される理系大学生を対象とし、科学的推論におけるCT「評価」得点と科学学習におけるメタ認知知識の間にどのような関係が存在するか分析した。 分析結果より、科学的推論におけるCT「評価」で高得点であった学生は、「①手順が正確に操作できているか確認する」、「②わからないことをメモする」、「③分類、体系化、整理、理解する」といったメタ認知的知識を用いる傾向があることがわかった。 また、本研究課題に関わる基礎的研究及び、教師を対象とした理科の学習指導に関わる調査の実施などについても実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度以降、新型コロナウイルスの世界的蔓延の影響を受けて海外での情報収集の制限や学校における調査のスムーズな実施が困難な状況が継続していたことにより、研究全体の進捗が遅れ気味となっている。
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今後の研究の推進方策 |
高次思考スキルを機能させる推進力としての動機づけなど、研究計画当初は想定していなかった視点についても検討の余地があると考えられる。このため、研究の遅れを挽回することを考慮しながらも、本研究課題の核心に迫るための計画変更についても検討する。
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