研究課題/領域番号 |
19H01754
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
渡部 雅之 滋賀大学, 役員, 理事 (40201230)
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研究分担者 |
小沢 日美子 同朋大学, 社会福祉学部, 教授(移行) (10532038)
松田 繁樹 滋賀大学, 教育学系, 教授 (60405058)
遠藤 美行 滋賀大学, 教育学部, 研究員 (60835502)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 視点取得 / 空間認知 / 生涯発達 / 身体 / 乳児 / 実行機能 / 身体性 / 空間的視点取得 / 眼球運動 / 重心動揺 / 加齢 |
研究開始時の研究の概要 |
空間的視点取得とは他者の目に映る風景を推測する行為であり、そこに行為者の感覚や運動能力を反映する身体性が伴う。また、風景を正確に想像するために、実行機能が必要とされる。空間的視点取得の生涯発達における身体性と実行機能の複合的関与の仕組みを明らかにすれば、発達心理学研究を大きく前進させるとともに、認知能力の育成や回復に繋がる運動や作業の改善策を示して、教育や医療の分野に貢献できる。本研究では、眼球運動を指標とする空間的視点取得能力の測定課題を開発し、これを用いて身体機能と実行機能の複合的関与による生涯発達過程を解明して生涯発達モデルを構築するとともに、その知見の臨床的応用を試みる。
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研究成果の概要 |
乳児、幼児、大学生、高齢者、脳血管障害・認知症高齢者に対し、自発的な視点移動を喚起する課題を課し、解答中の注視点移動を計測した。視点移動に要した時間は、幼児が大学生や高齢者よりも大幅に遅く、高齢者は学生よりも著しく遅かった。自己表象を身体から切り離すことを意味する時間は、幼児は大学生や高齢者よりも有意に遅いことが示された。また大学生では、視点移動に要した時間ならびに自己表象の操作時間が重心動揺の成績と負の相関を示した。加えて、1歳前の乳児の視点移動を示唆する結果を得た。これらは空間的視点取得に対する身体と注意の深い関与を示している。この結果を踏まえて、幼児への効果的な身体教育について考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、認知発達研究において近年改めて重要性が注目される身体性が、空間的視点取得の発達にも重要な役割を果たしていることを実証的に明らかにした。同時に、この身体性の現れ方が生涯発達に伴って変化する具体的な証拠も見出した。特に、1歳前の乳児にさえ視点取得が可能であるとの画期的な発見を得たことは、空間的視点取得の概念を拡張することに貢献した。この成果は、向社会的行動の効果的な教育において、感覚・運動的な共感により目を向けるべきであることを示唆している。
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