研究課題/領域番号 |
19H01771
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
四本 裕子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80580927)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 神経同期 / 脳波 / 周波数 / 知覚 / 経頭蓋電気刺激 / 視聴覚統合 / ベイズ統計モデル / 周期的神経活動 / 経頭蓋交流電気刺激 / 視覚 / 時間知覚 / 加齢 / tACS / 同期的神経活動 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究では、脳内の同期的神経活動がヒトの知覚や認知に及ぼす効果を検証する。まず、経頭蓋交流電気刺激(tACS)による神経引き込みを脳波で測定し、誘発した神経引き込みが知覚や高次認知に与える効果を測定する。本研究の特徴は、確立した方法論を用いて脳内の同期的神経活動の機能を低次から高次の情報処理について包括的に理解することを目的とするものである。
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研究成果の概要 |
脳内の同期的神経活動がヒトの知覚や認知に及ぼす効果を検証するため、経頭蓋電気刺激、脳波測定、行動実験を行った。神経引き込みの周波数と視覚的顕著性を独立に操作し、同期的神経活動の効果を示し、また、視覚刺激の空間的な位置が知覚に及ぼす効果を明らかにした。さらに、脳波のα周波数成分の抑制的な機能を検証した。加えて、視覚と聴覚の相互作用をベイズ統計理論を用いて検証した。審美判断については、先行研究で報告されている複数の脳の領域を同一刺激・パラダイムを用いて電気刺激し、先行研究で報告された効果が再現できないことを示した。また、外出規制が人の心理や知覚に及ぼす効果を検証する国際共同研究に参加した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
経頭蓋電気刺激は、電極の位置、電流の種類、電流の大きさ、刺激周波数など、さまざまな組み合わせが可能であるが、実験の結果有意差が出たものしか出版されないという出版バイアスの問題がより深刻に反映される手法である。電気刺激により脳活動を操作し、脳活動の変化によって行動が変化することが仮定されていながら、脳活動の変化そのものを測定した研究が少なく、脳活動の操作がブラックボックスになっていることも問題となっている。視覚刺激の明滅で発生する脳内の神経同期活動の効果を行動実験等で検証し、過去の研究の再現性を検証することにより、神経同期活動の機能的意味を明らかにした点は学術的意義が大きい。
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