研究課題/領域番号 |
19H01777
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 |
研究代表者 |
浅井 智久 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主任研究員 (50712014)
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研究分担者 |
門田 宏 高知工科大学, 情報学群, 准教授 (00415366)
今水 寛 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (30395123)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 自己感 / 予測誤差 / 脳機能計測 / 視線 / 非侵襲的脳活動刺激 / 視線計測 / 主体感 / MRI計測 / tES介入 / 脳機能介入 |
研究開始時の研究の概要 |
2000年以降の心理学関連領域において,「自己」という感覚はどう生起しているのか,「他者」との円滑な相互作用がどう実現されているのか,という問いに注目が集まっている。本研究では,その基盤となっている可能性のある「予測誤差」に注目することで,「自己と他者を分離しながら結合する」ことを可能にしている認知神経メカニズムの計算論的モデル化を行う。そのために,心理物理実験と脳機能計測を対応させ,「心」と「体」と「脳」の三位一体性の解明を目指す。これはその関係性が障害されてしまっている精神疾患の解明にも大いに貢献する内容である。
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研究成果の概要 |
本研究では,自己感の基盤となっている可能性のある「予測誤差」に注目することで,自己と他者を弁別することを可能にしている認知神経メカニズムの特定を行うことを目的とした。そこで運動フィードバックの自他帰属課題を用いることで,自他帰属の弁別力やフィードフォワードコントロールの精度を反映すると考えられる視線の先行効果を確認した。また,予測誤差の検出に関連すると考えられる脳領域に非侵襲的脳活動刺激(tES)を与えることで,予測誤差の自己感への貢献度の変調および脳活動自体への介入効果が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,脳内で計算される予測誤差が主観的な自己感に特異的に影響することを,行動実験・脳活動計測・機能介入実験を組み合わせた多角的なアプローチで示唆した。この知見は,予測誤差の検出および自己感の障害と考えられる統合失調症などの精神疾患の病態理解につながるだけでなく,経頭蓋の非侵襲な電気刺激による正常な方向への誘導(ニューロモジュレーション)の技術的な可能性を開いたと考えられる。これらの基礎的な成果は,今後はより応用的な研究へ発展させることができる。
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