研究課題/領域番号 |
19H01784
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河澄 響矢 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (30214646)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | リーマン面 / ループ演算 / トゥラエフ余括弧積 / 写像類群 / 自由群の自己同型群 / ねじれ係数コホモロジー / 安定コホモロジー / タイヒミュラー空間 / モジュライ空間 / ゴールドマン・トゥラエフ・リー双代数 / 発散コサイクル / 線型コード図式 / オペラド / ジョンソン準同型 / 二重導分 / ゲート二重導分 |
研究開始時の研究の概要 |
リーマン面すなわち曲面の写像類群の線型近似であるジョンソン準同型について、その像の完全な特徴付けを目指す。換言すると、様々な代数的な情報を動員して曲面の自己同型という幾何学的な対象を完全に記述することが目標である。代表者らの先行結果は、曲面の自由ループについてのコサイクルがその記述に有用であることを示唆している。そこで自由ループの高次コサイクルを実装することが研究の中心となる。その際、複素解析的およびグラフ・ホモロジー的なアプローチも採用する。関連して写像類群のねじれ係数コホモロジーを研究する。これらの問題を中心軸としてリーマン面を中心とした位相幾何学全般にわたる研究を推進する。
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研究成果の概要 |
二重ゲート導分の導入によりトゥラエフ余括弧積の新たな幾何的様相を明らかにし、トゥラエフ余括弧積の二次演算を発見した。曲面の単位余接束の有理ホモロジー群の外積代数に値をもつ写像類群のねじれ係数安定コホモロジーについて自明係数安定コホモロジー代数上の Tor 群の計算を5次外積まで行なった。このような Tor 群の計算はこれまでなかった。また、Kawazumi-Zhang 不変量のねじれ版の研究を行なった。さらに、自由群の自己同型群のねじれ係数安定コホモロジーにある種のオペラド構造を導入した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
曲面の位相的な構造を深く研究するために、曲面上のループのなす演算、曲面の位相的な対称性を記述する写像類群および曲面の上のリーマン面の構造を分類するタイヒミュラー空間の研究を行なった。これら3つのそれぞれについて、新しいループ演算を発見し、写像類群の新しい定量的な研究方法を提案し、タイヒミュラー空間上のある函数についての新しい知見を得た。関連して、既存のループ演算についても新たな幾何的解釈を与え、写像類群と関わりの深い自由群の自己同型群について新たな研究の視点を提案した。
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