研究課題/領域番号 |
19H01840
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
町田 洋 学習院大学, 理学部, 教授 (40514740)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 熱輸送 / フォノン / 粘性流体 / フォノン流体 / グラファイト / 熱伝導率 / 絶縁体結晶 / ダイヤモンド / 流体力学 / 流体力学的熱輸送 / 準粒子粘性流体 |
研究開始時の研究の概要 |
固体中のフォノンや電子をはじめとする準粒子が、あたかも流体の様に集合的に振る舞う準粒子流体の運動は粘性によって特徴付けられ、個々の準粒子の拡散によって生じる通常の輸送現象とは一線を画す特異な現象を発現する。本研究は準粒子粘性流体を輸送特性の観点から包括的に研究し、固体に潜む粘性流体の存在をあぶり出す定量的な方法論を確立することで、同現象の普遍性を見出す。
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研究成果の概要 |
グラファイトおよびサファイヤにおけるフォノンの流体的熱輸送の観測を通じて、同現象が固体結晶に普遍的に現れ得ることを示した。またグラファイトでは試料の厚さを薄くすることで熱伝導率が向上することを見出した。この現象の背後には構造の僅かな違いが起源となっている可能性が示された。今後僅かな構造変化によってフォノン分散が変更を受け、フォノン―フォノン散乱における正常散乱の散乱位相空間が増大していることを第一原理計算を通じて実証し、ミクロな視点からの現象の解明を目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フォノンの流体的熱輸送が特定の純良物質や特定の温度域に限定されず、固体結晶に広く見出し得ること示し、我々の固体の熱輸送についての基礎的理解を促進した。結晶構造の僅かな違いがフォノンの流体的性質ならびに熱伝導率の大きさに多大なる影響を与え得ることを見出した。この結果はフォノンの流体的性質を積極的に活用することにより固体の熱伝導率が自在に制御でき得ることを示しており、従来の方法とは一線を画す熱伝導制御技術の礎となる可能性を提供している。
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