研究課題/領域番号 |
19H01877
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
片山 一成 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (90380708)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | トリチウム / トリチウム水 / 土壌 / 粘土鉱物 / 同位体交換 / マイクロ波加熱 / 環境保全 / 有機結合型トリチウム / 酸溶解 / 植物 / 液体シンチレーションカウンター |
研究開始時の研究の概要 |
環境中トリチウム挙動は、社会的に注目されており、科学的根拠を背景とした移行モデルの構築と挙動予測が求められている。またトリチウム漏洩事故後の環境回復を実現するためには、効果的なトリチウム除染法を見出すことも望まれる。そこで本研究では、土壌へのトリチウム蓄積機構の解明を目的とし、土壌蓄積トリチウム全量評価法を確立する。加えて、同位体交換反応を利用した新規高効率トリチウム除染法の原理実証を行う。
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研究成果の概要 |
トリチウム水に浸漬した天然土壌試料からの加熱に伴うトリチウム放出ピークと水分放出ピークの位置は一致し、土壌中に存在する水分或いは軽水素それぞれに、吸着反応或いは同位体交換反応を通じてトリチウムが取り込まれることが示唆された。マイクロ波支援酸溶解法による土壌の溶解で放出されるトリチウム量は、1000℃加熱で放出されるトリチウム量よりも多いことが明らかとなった。このことは、トリチウム汚染土壌からのトリチウム全量回収は、加熱のみでは困難であり、完全溶解が必要であることを示す。トリチウム含有土壌で育成されたシロイヌナズナには、土壌に供給されたトリチウムの一部が有機結合型トリチウムとして蓄積された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高度な社会文明を維持するために必要なエネルギーを継続的に安定して供給可能なエネルギー源として、核融合炉の実現が期待されている。しかしながら、核融合炉が社会に受け入れられるためには、万が一の事故により燃料トリチウムが施設外へ漏洩した際の環境・公衆への影響を科学的根拠に基づいて説明することが求められる。本研究は、トリチウム水が土壌に漏洩した際のトリチウム挙動を解明するものであり、核融合炉の受容性向上の観点から社会的意義は大きい。また、土壌中でのトリチウム移動現象は解明されておらず、本研究で得られるトリチウム実験による成果は学術的意義が大きい。
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