研究課題/領域番号 |
19H01892
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山崎 剛 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (00511437)
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研究分担者 |
佐々木 勝一 東北大学, 理学研究科, 准教授 (60332590)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 素粒子理論 / 素粒子論 / 格子QCD |
研究開始時の研究の概要 |
強い相互作用はクォーク・グルーオンからハドロンを形成するだけでなく、陽子と中性子が原子核内で束縛する核力の起源でもある。強い相互作用の特徴である、クォーク・グルーオン→ハドロン→原子核という、エネルギースケールが大きく異なる階層を統一的に扱い、強い相互作用の第一原理計算である格子QCD計算からハドロン及び原子核の内部構造を定量的かつ総合的に理解することが本研究の目標である。具体的には、パイ中間子とK中間子、及び、核子の形状因子に関係するハドロン内部構造物理量の精密決定と、格子QCDからの理解が進んでいない軽原子核形状因子計算に向けた研究を行う。
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研究成果の概要 |
現実世界と同じクォーク質量かつ一辺が10fmを超える巨大体積を用いた世界初となる大規模格子QCDによる軽いハドロンの形状因子精密計算を実施し、パイ中間子とK中間子の電気的な広がりに対応する荷電半径の実験値を再現した。また、素粒子標準模型を超える物理探索に関係する物理量精密計算も実行し、クォーク混合行列要素|Vus|に対して現在の最高精度に近い結果を得た。さらに様々な核子形状因子精密計算を実行し、その計算に含まれる系統誤差について調査を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題で遂行した、現実世界と同じクォーク質量かつ一辺が10fmを超える巨大体積を用いた大規模格子QCDによる精密計算によって、軽い中間子の内部構造に密接に関係する物理量の実験値の再現に成功し、理論的に理解が難しい強い相互作用について、定量的理解を深めた。この成果は強い相互作用の非摂動論的総合理解として重要であるだけでなく、現在の素粒子物理分野で喫緊の課題である素粒子標準模型を超える物理現象の探索研究に対しても重要である。本課題では、この成果を基にして、素粒子標準模型を超える物理探索に関係した研究も実施した。
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