研究課題/領域番号 |
19H01908
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高橋 弘充 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (10536775)
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研究分担者 |
林田 清 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (30222227)
北口 貴雄 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (30620679)
川島 朋尚 東京大学, 宇宙線研究所, 特任研究員 (90750464)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 宇宙物理 / 偏光観測 / 気球実験 / ブラックホール / 硬X線 / 硬X線 |
研究開始時の研究の概要 |
偏光観測は、天体の微細な構造や磁場の向きなどを測定することができ、宇宙物理学において撮像(イメージ)、分光(エネルギースペクトル)、測光(時間変動)と相補的な重要な手法となっている。電波や可視光など低エネルギー帯域では広く用いられているが、X線ガンマ線による高エネルギー偏光観測は未開拓な研究分野である。そこで本研究では日米瑞の国際協力でX-Calibur気球実験を推進し、硬X線偏光観測によりブラックホール近傍における相対論的な効果の測定を目指す。X-Caliburでは、天体からの硬X線信号を望遠鏡で集光することにより高感度な偏光観測を実現する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、国際研究チームでXL-Calibur気球を打ち上げ、硬X線帯域において天体の偏光観測を高感度に実施することであった。そのために、日本製FFAST望遠鏡の調整を実施した後、較正データを取得し、XL-Caliburゴンドラに搭載させた。 コロナ禍で南半球でのフライトが実施できなかったことから、2022年7月にスウェーデンからカナダまで7日間のフライトを実施した。残念ながら気球運用の不具合により、天体信号は観測されなかったが、ゴンドラは無事に回収できている。次回フライトを成功させ、超巨大ブラックホールから硬X線偏光情報の取得を目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
偏光は、イメージ、タイミング、エネルギーとは独立な観測量であり、宇宙観測においてもイメージでは直接分解できない天体の構造を探る上で重要な観測手段である。しかしX線・ガンマ線帯域では、検出メカニズムが複雑なため検出器開発が遅れてきた。地表にはX線・ガンマ線は届かないが、上空40kmの成層圏では20keV以上の硬X線が観測可能である。 今回、全長12mで総重量2.5トンの巨大XL-Caliburゴンドラをフライトさせ、各機器は正常に動作し、天体観測が可能であることが実証できた。次回のフライトでは、長時間観測を実施することで、硬X線帯域での天体からの偏光情報の取得が期待される。
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