研究課題/領域番号 |
19H01913
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
牧村 俊助 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 先任技師 (10391715)
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研究分担者 |
能登 裕之 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (50733739)
長江 正寛 公益財団法人応用科学研究所, その他部局等, 主任研究員 (60304341)
阪本 辰顕 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (80403848)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | タングステン / 粒界強化 / 耐熱合金 / 超塑性 / 粒子標的材 / 耐熱材料 / タングステン材 / 耐熱 / 再結晶脆化 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙の起源や物質生命科学の解明を目指す大強度高エネルギー陽子加速器では、J-PARC COMET第二期計画、J-PARC MLF第二標的計画、米国フェルミ研究所Mu2e計画、欧州ESS中性子源計画などに代表されるように、タングステンは標的材料として期待されているが、再結晶脆化・照射脆化の課題を抱える。 これまで東北大で開発され、引き続いて研究代表者らによって製造されたW-TiC合金を更に発展させることによって、W-TiC合金よりも耐熱性に優れ、再結晶脆化・照射脆化の課題を解決し、従来の純タングステンと比較してビーム受入強度を飛躍的に高めるW-TaC合金を完成させる。
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研究成果の概要 |
TFGR W-TiC合金よりも耐熱性を高めたTFGR W-TaC合金を完成させるための研究を展開した。製造手順の改善、MA処理における合金化過程の最適化を実現できた。一方で、TFGR W-TaCの曲げ強度を十分に高め、室温で延性を示すことは出来なかった。その原因は酸素の混入を低減することができず酸化物が形成されたためと考えられる。TFGR W-ZrCでは、結晶粒の顕著な微細化が実現できることが明らかになった。今後は、酸素の混入の低減、MA処理過程での不純物の混入の低減を目指す。開発の過程において、固溶元素を添加したTFGR W-TiCを製造したところ大きな超塑性を示すことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タングステンに炭化チタンを添加し粒界すべり処理によって粒界を強化したW-TiCを開発してきた。さらに耐熱性を向上させるためにW-TaCの開発に着手した。W-TaCでは耐熱性は向上できるが、粒界強化の効果が不十分ではなかった。並行して開発したW-ZrCでは、TiC, TaCと比較して、結晶粒微細化の効果が高く超塑性への応用が可能であることが分かった。一方でZrCでは、酸素を吸着しやすく酸化物が破壊の起点となってしまい室温での機械強度を出しにくい。そのため、用途に応じて製造法を選択することが重要である。 これらの成果はタングステン合金の応用範囲を広げる。
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