研究課題/領域番号 |
19H01928
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉立 徹 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 名誉教授 (80144806)
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研究分担者 |
中條 達也 筑波大学, 数理物質系, 講師 (70418622)
三好 隆博 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (60335700)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | クォーク物質 / フォトン物理 / ALICE実験 / クォークグルーオンプラズマ / QGP |
研究開始時の研究の概要 |
私たちは欧州CERN研究所ALICE実験に建設導入したフォトン検出器PHOS及びジェット対検出器DCALを主要検出器としてLHC加速器が最高性能を発揮する第2期衝突実験に臨み、わが国大学チームが牽引する特色あるフォトン物理を責任ある立場で展開してきた。本研究は大学チームとしての主体性と独自性を発揮しながら、理論研究者とも協働して次の目標達成を目指す。
■ LHC鉛原子核衝突@5.0TeV/Aにおけるフォトン物理RUN2総括 ■ 早期平衡化を探る超前方フォトン検出器FoCal開発及びRUN3実証機投入 ■ 普遍的な拡がりをもった新たな学術分野「強く相互作用する量子多体系」開拓
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研究成果の概要 |
LHC第2期衝突実験最終年に収集した高統計データ解析を始動するも、TPC検出器飛跡データの歪みが発覚した。補正作業と並行してフォトン物理解析を構成する複数の測定法(PHOS,EMC,DCAL,PCM)による比較検討を遂行した。予備的結果ではあるが、鉛+鉛原子核衝突@5.02TeV/Aが発する単光子エネルギー分布を国際会議にて初めて公開した。原子核衝突極初期を解明する超前方検出器FoCalの開発を展開した。7カ国から成る共同研究組織のなかでもわが国大学チームは主導力を発揮した。国内外理論研究者との議論を通して、量子多体系を支配する非線形・非平衡物理を切り開く一端を担った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高エネルギー原子核衝突が創る高温物質の探求はLHC加速器実験2期10年を経過した。2009年初衝突以来、様々な知見を明らかにしてきた。その物質は単光子を熱輻射した。熱力学的平衡に達した熱源が存在し、ハドロン存在限界温度を越えるクォーク物質であることを証した。その探求は非摂動的QCDの振る舞いを理解するに留まらず、自発的対称性の破れた量子場という自然の核心的概念に結びつく。高エネルギー実験は極度にグローバル化した分野である。研究者は国籍問わず緊密に連携した共同体を立ち上げ、そこに掲げた目標に向けて日々議論し行動する。近年の事象はその基盤を奪った。私たちは強くその回復に努力する。
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