研究課題/領域番号 |
19H01970
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
遠藤 貴洋 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (10422362)
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研究分担者 |
松村 義正 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (70631399)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | 乱流混合 / 海底斜面 / Tidal straining / 乱流微細構造観測 / 三次元非静水圧モデル |
研究開始時の研究の概要 |
東シナ海陸棚斜面域の海底に超音波ドップラー多層流向流速計を設置し、その直上に乱流微細構造プロファイラーを投入することによって、乱流運動エネルギーの生成率と散逸率を同時に計測する。両者の差から乱流混合に使われたエネルギーを算出し、乱流運動がもたらす鉛直方向の密度フラックスを明らかにする。その収束・発散から、海底混合層内を斜面沿いに移動しつつ密度躍層へと湧昇し沖側へ戻る二次元循環の大きさを定量的に見積もる。観測結果をもとに、三次元非静水圧モデルを用いて数値シミュレーションを実施し、海底混合層内における懸濁粒子の斜面沿い方向の輸送量ならびに、海底混合層から密度躍層への懸濁粒子の輸送量を明らかにする。
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研究成果の概要 |
東シナ海陸棚斜面域で乱流微細構造観測を実施し、海底混合層内の乱流密度フラックスが、(1)船舶観測で得られた乱流運動エネルギー散逸率に乱流パラメタリゼーションを適用、もしくは、(2)係留観測で得られた乱流運動エネルギー生成率から計算した渦粘性係数を乱流プランドル数で割ることで求めた渦拡散係数と、背景密度の鉛直勾配との積として見積もり可能であることを示した。また、三次元非静水圧モデルkinakoを用いて、海底斜面上の懸濁粒子の動態を陽にシミュレートし、tidal strainingがもたらす乱流混合の非対称性により、海底から巻き上げられた粒子が粒径によらず浅い方へと移動していくことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
陸棚斜面域の海底混合層上端を境として生じる、乱流運動がもたらす密度フラックスの収束・発散によって、深いところにある密度の大きい水塊が、海底混合層内を斜面沿いに陸棚上へと移動しながら密度躍層へと湧昇し、等密度面に沿って沖側へ戻るという二次元的な輸送過程が生じ得る。本研究で得られた成果を端緒として、海底斜面と海底混合層との組み合わせによる二次元循環の存在が明らかになれば、陸棚斜面域にとどまらず、全球的な深層海洋大循環まで含めた、新しい物質循環研究の展開に大きく貢献するものと期待される。
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