研究課題/領域番号 |
19H02122
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 亮 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90323443)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | プラズマ医療 / がん治療 / 免疫治療 / ストリーマ放電 / 再発抑制 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 正常組織照射 / 獲得免疫 / 免疫 / 遠達効果 / 局所再発抑制 / 抗PD-1抗体 / 癌治療 / 活性種 |
研究開始時の研究の概要 |
放電プラズマで癌や創傷を治療するプラズマ医療の研究が、近年盛んに行われている。申請者はこれまでの研究で、プラズマを癌の免疫治療に使える可能性を示してきた。癌は体内の異物であるにもかかわらず免疫を回避する能力が強いが、マウスの癌腫瘍にプラズマを照射すると、マウスの癌に対する免疫が高まる可能性を動物実験で示した。本研究では、このプラズマを用いた癌の免疫治療について、(i) 治療効果を動物実験で調べ、(ii) プラズマ照射の最適条件を探し、(iii) 原理解明を行う。原理解明では、マウス体内の生化学反応の分析と、プラズマのどの要素に抗癌作用があるかを調べるプラズマ計測の、両面からアプローチする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ストリーマ放電プラズマを用いた癌の免疫治療について、マウスを使った動物実験を行った。その結果、(i) 正常組織にプラズマ照射したときの抗腫瘍遠達効果、(ii) 腫瘍の不完全切除後のプラズマ照射による局所再発抑制効果、(iii) 免疫チェックポイント阻害剤にプラズマ照射を併用した時の奏効率向上の3つについて、効果が得られる可能性を示唆する結果を得た。iとiiについては、免疫不全マウスを用いた実験で獲得免疫の寄与を示唆した。この他、プラズマで生成されたどの活性種が癌治療に効いているかを調べる研究に関連して、ストリーマう放電の基礎研究および、活性種選択的照射方法の開発も行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、申請者が世界で初めて動物実験で見つけた放電プラズマによる癌の免疫治療について、(i) 正常組織にプラズマ照射したときの抗腫瘍遠達効果、(ii) 腫瘍の不完全切除後のプラズマ照射による局所再発抑制効果、(iii) 免疫チェックポイント阻害剤にプラズマ照射を併用した時の奏効率向上の3通りの手法にプラズマを使える可能性を示した。本研究は、安価で副作用が少ないと考えられているプラズマを用いた、癌の新しい治療法の開発につながる可能性があり、医療費の高騰が問題となる中で社会的意義は大きい。また、プラズマ医療の分野において、上記3通りの手法はいずれも世界初となる研究成果であり、学術的意義も大きい。
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