研究課題/領域番号 |
19H02128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
稲田 亮史 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30345954)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
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キーワード | 酸化物固体電解質 / 金属リチウム負極 / 全固体電池 / 積層構造 / 界面抵抗 |
研究開始時の研究の概要 |
全固体電池の高エネルギー密度化に向けて,金属リチウム(Li)負極の利用が検討されているが,固体電解質(SE)との界面抵抗の低減と,実用時に想定される電流密度下における界面でのLiの溶解・析出反応の安定化が克服すべき課題となっている。本研究では,高密度SE焼結体上に衝撃固化プロセスによって形成した数10μm程度の低密度SE層とLi間での界面形成により,Li/SE界面抵抗の低減化(室温下で10Ωcm2程度)と,1mA/cm2以上の電流密度下でのLiの溶解・析出反応に対するLi/SE界面の安定化を同時に達成する。これにより,Li負極を用いた全固体電池の長寿命動作の実現に資する要素技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
酸化物固体電解質(Ox-SE)を用いた全固体電池において金属リチウム(Li)負極を安定動作させるために,高密度層と低密度層の積層構造を持つOx-SEを作製に取り組んだ。高密度Ox-SE層単体において,Liデンドライト耐性(SE層内へのデンドライト析出・成長が生じる電流密度)を本研究開始当初の2倍に向上できた。エアロゾルデポジション(AD)法を用いて高密度Ox-SE層上に同一組成のOx-SE厚膜を積層後,所定温度で後熱処理して低密度Ox-SE層を形成できたが,実際に低密度Ox-SE層端面にリチウム析出を行った際には,層内の空孔が有効に利活用できておらず,解決に向けた検討を継続する必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の実施により,異種酸化物の微量添加や焼結条件の調整により高密度SE層の組織制御によって,積層化の前段階でLiデンドライト耐性の指標となる限界電流密度を,研究課題開始当初の2倍以上に相当する0.9mA/cm2まで向上できたのは,学術的に重要な成果である。一方,ガラス基板での予備検討を踏まえて,高密度SE層の上に,μmオーダーの空孔を有する低密度SE厚膜想を形成する条件を見出だすことはできたが,実際にLi析出を行った際に低密度層内の空孔が有効に活用できていない課題の解決に至らなかった。今後の継続検討によりこの課題を克服できれば,全固体電池の高エネルギー密度化に貢献できると考える。
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