研究課題/領域番号 |
19H02229
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
川崎 了 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00304022)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 地域性 / バイオセメンテーション / 法面 / 炭酸カルシウム / ウレアーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,法面保護工の施工対象となる現場周辺の地盤に生息する微生物の地域性に着目し,バイオセメンテーションにより法面表層部を固化させる新しい法面保護技術を開発することである。 本研究の独創性・新規性は,自然界で生物が作るバイオミネラルをセメント物質として利用すること,現地の微生物を利用するために微生物汚染が生じないこと,地盤の温度やpHなどの地域性に着目したバイオセメンテーションであること,地盤工学,コンクリート工学,微生物学,地質学,地球化学などの学際的研究であること,である。 得られた成果は,安価で低環境負荷,そして景観に配慮した持続可能な新しい法面保全技術となることが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,法面保護工の施工対象となる現場周辺地盤に生息する微生物の地域性に着目し,バイオセメンテーションにより法面表層地盤をCaCO3の析出により固化させる新しい法面保護技術を開発し,その有効性を確認することである。 寒冷地におけるバイオセメンテーションに適した尿素分解菌を探索した結果,北海道内の法面表層地盤よりCaCO3の析出に適した菌株が発見された。また,その菌株のCaCO3析出特性について調査した後に,粒度が異なる地盤材料を対象としたシリンジおよび斜面模型による室内固化試験を実施した。さらに,北海道内の法面で現場試験施工を行った。結論として,新たに開発された技術の有効性が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の主な特徴は,自然界で生物が生成する鉱物(バイオミネラル)の1つであるCaCO3を地盤の固化材料として利用している点にある。すなわち,法面保護工で用いられているモルタルやコンクリートの材料であるセメントを使用せず,そして施工対象となる現場周辺の地盤に生息する微生物の地域性に着目し,寒冷地においてCaCO3の析出に適した菌株を活用したバイオセメンテーションにより法面表層地盤を固化させる新しい技術であり,法面の保護・保全に関する対策技術として有効な選択肢が増えることにつながる。 得られた研究成果は,低環境負荷で景観に配慮した持続可能な新しい法面保全技術としての適用が期待される。
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