研究課題/領域番号 |
19H02245
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
浅枝 隆 埼玉大学, 理工学研究科, 名誉教授 (40134332)
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研究分担者 |
今村 史子 日本工営株式会社中央研究所, 先端研究センター, 専門部長 (50568459)
セナヴィラタナ ジャヤサンカ 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (70812791)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | シアノバクテリア / カビ臭 / 活性酸素 / 過酸化水素 / 環境ストレス / 光阻害 / アオコ対策 / 貯水池管理 / カビ臭対策 / 環境ストレス指標 / 富栄養化 / 貯水池対策 / カビ臭い対策 / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
貯水池、河川上流域で発生するカビ臭物質を産出する藍藻に対しては、曝気循環に代わる対策が求められている。そのため、藍藻の状態の把握を可能にする、過酸化水素濃度を用いて一義的に環境ストレス強度を表す指標を開発する。次に、光、水温、栄養塩濃度、乱流強度等の代表的ストレス要因による過酸化水素濃度への応答を求め、細胞を枯死させる限界過酸化水素濃度、2MIBの発生量と過酸化水素濃度との関係を求める。さらに、自然水域で代表種を培養、環境ストレスを評価、ストレス強度が上昇する条件を求める。 これらの結果を基に、ストレス要因を組み合わせて、限界濃度を超える仕組みを考案、カビ臭物質産出藍藻の対策法を開発する。
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研究成果の概要 |
藍藻は過剰な光強度の下では藍藻体内に活性酸素が生成、枯死に至る。そのため、水温、栄養塩濃度の他に光もストレスになる。本研究では、まず、代表的な活性酸素である過酸化水素濃度が、それぞれのストレス強度と高い相関があることを明らかにし、細胞内の過酸化水素量を用いてストレスを定量化する指標を開発した。次に、枯死に至る細胞内の過酸化水素量を求めた。また、異なるストレスが複合的に負荷する場合には、それら個別の生成量の和で表せることを示した。さらに、光強度に依る過酸化水素量は、光強度だけでなく細胞濃度にも依存して増加することを示し、夏季における水面近傍で強い光強度の下での増殖機構を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
藍藻は水域で毒性物質やカビ臭物質を産出するため、増殖を防止する対策が必要である。他方、藍藻は光合成で増殖するため、光強度を抑制すれば増殖を防止できると考えられ、対策が進められてきた。しかし、近年、強光ストレスの下で、藍藻体内に産出される活性酸素を利用する方がより効果的なことが明らかになった。光阻害とよばれる現象である。本研究では、ストレス下で藍藻体内に発生する代表的な活性酸素である過酸化水素の濃度と藍藻の生理特性との関係を、室内実験及び野外観測で明らかにした。この性質は他の植物にも利用可能な性質であることも示した。さらに、これを利用し、光阻害を利用して対策を進めるための定量的な条件を求めた。
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