研究課題/領域番号 |
19H02250
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
厳島 怜 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (30737656)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 河川汽水域 / 生息場構造 / 河川地形 / 環境要因 / 人為的インパクト / 環境再生 / 潜在自然河相 / 粒度分布 / 河道特性 / 潜在生物相 / 魚類相 / 物理環境 / 河相 |
研究開始時の研究の概要 |
河川自然再生のためには、人為影響を除いた場合に現れる潜在自然河相を把握することが重要である。しかし、河川汽水域は陸域及び海域の自然要因に加え、上流の人為影響が集積する複雑な場であり、潜在的な環境構造が明らかとなっていない。本研究では、河川汽水域の保全、修復のために必要なリファレンスとなる潜在的な環境構造を明らかにすることを目的とする。まず、環境構造と複数の空間スケールの自然要因との関係を調べ、環境構造に強い影響を及ぼす自然要因を特定し、それらを用いて潜在的な環境構造が相同と考えられる汽水域を類型化する。次に、人為改変が環境構造に及ぼす影響を明らかにし、最終的に類型毎の潜在的な環境構造を示す。
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研究成果の概要 |
本研究は、河川汽水域の生息場構造と複数のスケールの環境要因との関係を解明し、環境再生の際に目標となる潜在自然河相を明らかにすることを目的に実施した。東日本に位置する93河川の河川汽水域の生息場構造の分類の結果、砂潟や平瀬が卓越する太平洋側の河川、日本海側に位置する礫潟および早瀬が卓越する河川、砂潟およびとろが卓越する河川の3群に分類された。決定木解析の結果、流域およびセグメントスケールの要因が分類に影響を及ぼす要因であることが明らかとなった。また、礫潟はダム集水域の割合が小さい河川で多くみられる傾向にあり、ダムによる礫の供給量の変化が河川汽水域の環境構造に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果に基づき、「環境構造が多様な保全すべき汽水域」や「環境再生の目標となる環境構造」を設定することができる。また、人為改変と環境構造の関係を明らかにするとで、汽水域の再生を行う際に「どの人為影響を改善すべきか」が明瞭となり、再生に向けた実効性の高いシナリオを策定できる。更に、継続して人為影響を受ける汽水域の環境構造改変を予測することが可能となるなど、河川汽水域の再生、保全に大きく貢献する。また、研究対象とする中小河川は、立地条件が多様であるのに対し、河道特性を整理した事例が少なく、研究成果は河川管理の基礎的情報として活用可能である。
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