研究課題/領域番号 |
19H02300
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
西岡 真稔 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (40287470)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | 帯水層蓄熱 / 冷暖房 / 省エネルギー / 低炭素 / 温度分布 / 地中熱利用 / 帯水層 / 蓄熱 / 熱回収率 / 水温 / 実測 / パラメータ同定 |
研究開始時の研究の概要 |
帯水層蓄熱は低炭素化技術として欧州で普及しているが、日本では厳しい揚水規制のため実用化が進まなかった。しかし、近年、適正な管理の下で地下水を利用する気運が高まりつつあり、実用可能な有望な技術になった。然るに、日本の地層条件で行われた帯水層蓄熱研究の多くは基礎研究に留まっており、実用に際した知見が不足している。 本研究では、冷・温の蓄熱井戸の離隔距離が十分にとれない場合に発生する混合損失を把握・評価することを目的とする。実運用される帯水層蓄熱システムの運用開始に合わせて、帯水層内部の蓄熱塊の広がりの実態を地下水温度観測により把握すると共に、数値計算を併用して混合損失について分析する。
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研究成果の概要 |
実運用される蓄熱井戸に対して、距離27m(観測井1)と40m(観測井2)の地点に、観測井を構築し、水温の計測を実施した。観測井は冬期に冷水を蓄熱する熱源井戸から離隔して設けており、2019年度の冬期から2021年度の冬期までの3年に渡り、冷水を帯水層内に蓄熱する際の、周囲への冷水塊の広がり状況を水温変化として観測しデータを蓄積した。三次元熱流動シミュレーションによる水温計算値と観測井における水温測定値を比較することにより、両者が一致するときの熱流動パラメータを探索し、帯水層厚さ、地下水流速、熱分散長を同定した。また、数値計算により、熱源井戸周囲の水温分布を推定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
観測井の温度観測値を用いることで熱源井戸における揚水温度を用いた同定では評価することのできなかった帯水層厚さや地下水流速についての評価が可能であることを明らかとした。また同定結果をもとに、観測井戸の以外の地点の水温分布について内挿・外挿により求めた。以上の成果は、先行研究では不明であった帯水層内部の蓄熱水塊の広がり状況を実測に基づく推定値を示した新規の知見であり、帯水層蓄熱において熱干渉を考慮した井戸配置を設計する際の有用な基礎資料となろう。
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