研究課題/領域番号 |
19H02346
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田川 雅人 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10216806)
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研究分担者 |
横田 久美子 神戸大学, 工学研究科, 助手 (20252794)
岩田 稔 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80396762)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 地球高層大気 / 大気密度 / 衛星大気抵抗 / 超低高度衛星 / 分子散乱 / 大気抵抗 / 原子状酸素 / 超低地球軌道 / 窒素分子 / 超低軌道 / 宇宙環境 / 宇宙機 / 超低軌道衛星 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請では、これまで世界的にもその重要性が十分認識されてこなかった「衛星表面での超熱気体分子の散乱ダイナミクス」を正しく理解するために、本申請者が所有する材料劣化研究用原子状酸素ビーム発生装置を用いた実験によるデータ収集を行う。さらに超熱速度領域の原子状酸素散乱ダイナミクスとDSMC計算と組み合わせることにより、低抵抗衛星設計の基本原理の獲得と、DSMC計算スキームの高度化を行う。これらの一連の研究により世界に先駆けて超低高度地球軌道領域を開拓する基盤技術を獲得することを目指す。
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研究成果の概要 |
本プロジェクトでは超低高度(VLEO)衛星の大気抵抗を低減するために、衛星表面材料上での分子散乱角度分散を計測した。その結果、ポリイミド表面からの分子線散乱は鏡面反射成分が優勢であるが、原子状酸素を照射すると拡散反射成分が増加することが明らかになった。同様の変化は国際宇宙ステーションで実際に宇宙環境に曝露したポリイミドでも観察された。本実験で得られた散乱分布をDSMC計算における散乱モデルとして実装し衛星抵抗を計算したところ、原子状酸素曝露により衛星大気抵抗が増大すること、鏡面反射成分が優勢な二次元物質を表面材料とすることで、衛星大気抵抗を減少させることが可能なことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超低軌道(VLEO)領域では大気密度が大きいため、衛星の低抵抗化が重要な設計ポイントとなる。VLEOでの大気分子流れは分子流領域であることから、超低軌道衛星の低抵抗化には航空機とは全く異なる超熱速度希薄流体力学の適用が必要となるが、実験設備がなかったことから世界的にも未踏の学術領域である。本研究では独自のシステムにより超熱分子速度領域の分子散乱を実験的に計測し、低抵抗衛星設計技術の確立を行った。
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