研究課題/領域番号 |
19H02387
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小柴 佑介 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 技術専門職員 (60419273)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | 消火 / 火災 / 消火剤 / ユビキタス元素 / 合成化学 / マイクロエマルション / 火災安全工学 / ユビキタス |
研究開始時の研究の概要 |
いずれ起こる南海トラフ地震では最大 2 万人強の火災による死者および約 75 万棟の家屋焼失が危惧されている.従って,初期消火が重要視されており,高性能消火剤が求められている.広く利用されている粉末消火器の有効成分はリン酸塩であるが,その原料であるリン鉱石は枯渇リスクがあるとともに価格が急上昇している.本研究の目的は,主として枯渇リスクが小さいカルシウムおよび鉄化合物を用いて,消火剤の高性能化かつリン資源の保護を目指すとともに,次世代消火剤の分子設計に資する知見を得ることである.
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研究成果の概要 |
本研究で実施した3つのサブテーマから,次の成果を得ることができた:(1)ナノ化フェロセン分散液が高い消火性能を示すこと,(2)高い燃焼抑制効果を発現する新規化合物を合成したとともに,分解しやすい化合物ほど高い抑制効果を示すこと,(3)マイクロエマルション系消火剤が高い消火性能を発現するとともに,液組成が消火性能に及ぼす影響を明らかにできたこと.今回提案した新規消火剤はどれも高性能であり,かつ使用元素のユビキタス化を達成した. 従って,我が国における減災戦略およびユビキタス元素戦略に資する知見を得ることができたと結論付けられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来から,ウォーターミストへの添加剤として利用するために,数多くの金属化合物が模索されてきたが,既知化合物の中から宝探し的に探索されており,化合物選定に関して明確な学理が無かった.また,粉末消火剤の有効成分としてリン酸塩が用いられているが,リン鉱石には枯渇リスクや産出国のカントリーリスクがある.本研究で提案した新規消火剤は,どれも既存消火剤よりも高性能であるだけではなく,使用元素のユビキタス化を達成した.従って,火災による被害低減およびユビキタス元素戦略に資する社会的貢献ができたと考えられる.これに加え,高性能消火剤の分子設計に資する先駆的指針を示すことができ,ここに学術的意義があると言える.
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