研究課題/領域番号 |
19H02421
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 熊本大学 (2021) 東北大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
木口 賢紀 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 教授 (70311660)
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研究分担者 |
山田 智明 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80509349)
今野 豊彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90260447)
白石 貴久 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50758399)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | リラクサー / ドメインエンジニアリング / MPBエンジニアリング / PMN-PT / 薄膜 / 弾性場 / STEM / EELS / PMN-PT薄膜 / 格子ミスマッチ / ミスフィット歪み / 熱歪み / 相転移 / 加熱XRD測定 / CSD法 / 構造傾斜領域 / 組成相境界 / PZT / 90 °ドメイン / 熱応力 / ミスフィット転位 / ヘテロ界面 / リラクサー薄膜 / 歪み / 強誘電体 / 界面構造 / 相互拡散 / 分極ゆらぎ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、(1)3相共存ナノ組織の形成が期待されるPb(Mg1/3 Nb2/3)O3-PbTiO3-PbZrO3(PMN-PT-PZ)薄膜における構造傾斜領域の高密度化、(2)ナノサイズの分極のゆらぎ持つPMN薄膜との積層化によりミスフィット転位を利用した構造傾斜領域の高密度化、(3)分極ゆらぎの協奏効果の利用、によって薄膜ドメインエンジニアリング構築の学理を究明し、微細組織制御の普遍的な指導原理を確立することによって、「ドメインエンジニアリング」及び「MPBエンジニアリング」の考え方をエピタキシャル薄膜に発展させ、強誘電体組織設計の新展開を図る。
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研究成果の概要 |
基板の弾性的拘束による歪みがPb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3 (PMN-PT)薄膜の組織形成に及ぼす影響を系統的に調べた。(001)SrTiO3、(001)LSAT、(001)KTaO3単結晶基板上に成長したPMN-PT薄膜において、MPB組成域は熱応力に起因する歪みにより変化した。一方、ミスフィット転位芯の歪み場が正方晶相の90°ドメイン核生成サイトとして作用し、ドメイン間の空間的干渉によってドメイン幅が決定される。このように、薄膜-基板間の熱および格子ミスマッチがPMN-PT薄膜のMPB・ドメインエンジニアリングの支配因子であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、リラクサー薄膜の強誘電性・圧電性を決定づける組成相境界(MPB)組成域とドメイン構造が、それぞれ薄膜基板間の熱応力と格子ミスマッチにより決定されることを実験的に解明した点に学術的な意義を持つ。特に、組成だけでなく残留歪み状態が機能発現の要であるMPBを決定づけることから、リラクサーや強誘電体薄膜の材料設計において歪み状態の制御が重要な意味を持つことが明らかとなり、これからのIoT社会に不可欠である圧電センサーやアクチュエーターの材料開発の基盤として、社会的意義をもつ。
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