研究課題/領域番号 |
19H02425
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
片瀬 貴義 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (90648388)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
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キーワード | 熱電変換材料 / 層状半導体 / 量子構造 / 材料設計 / 低環境負荷 |
研究開始時の研究の概要 |
無毒で豊富な元素で構成される高性能熱電半導体の実現を目指して、層状遷移金属化合物のバルク二次元電子ガス(2DEG)を利用して巨大熱電能(S)を引き出す、その材料設計指針を確立することを目的とする。高Sを得るために2DEGの大きな状態密度を利用することが提案されているが、2DEGと優れた熱電性能は薄膜界面でしか観測されず、発電量が必要とされる熱電材料としては使えない。本研究では、2DEG構造と絶縁層を交互に積層した構造を持つ層状結晶(=バルク2DEG)を提案し、バルク2DEGに起因した巨大Sの実現を目指す。さらに同様の電子構造を持ち得る層状遷移金属化合物の第一原理計算による網羅的探索まで行う。
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研究成果の概要 |
無毒で豊富な元素で構成される高性能熱電変換材料の実現を目指して、薄膜界面で見られる2次元電子ガス構造をバルク全体で内包する新材料(バルク2DEG材料)を探索した。層状AETMN2(AE=Ca,Sr,Ba、TM=Ti,Zr,Hf)の第一原理欠陥計算を行い、SrTiN2では自然に窒素欠損や酸素不純物を取り込みやすい問題があったが、SrをCaで置換、またはTiをZr・Hfで置換することで欠陥生成を抑制できることが分かった。目的相が94mol%以上の高純度バルク試料を合成し、AETMN2の半導体特性と電子構造を実験的に明らかにした。上記の研究手法を応用し、関連窒化物の探索と合成も行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第一原理計算による電子構造・欠陥計算と化学結合解析を併用して合成プロセスを設計し、大気中で不安定な物質でも不純物や欠陥の生成を抑制して新しい半導体材料を実現する材料探索手法になると期待される。本提案を発展させ、関連層状化合物の探索と電子構造・半導体物性評価を更に進めていくことにより、優れた環境調和型熱電材料の実現に繋がると考える。
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