研究課題/領域番号 |
19H02429
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
末松 久幸 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (30222045)
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研究分担者 |
鈴木 達也 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (70323839)
南口 誠 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (90272666)
Do T.M.Dung 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (90638420)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 医療用放射性同位体 / ホットアトム / 医療用放射性同位元素 / 放射性同位元素 / 医療用 |
研究開始時の研究の概要 |
含水層状MoO3結晶に中性子照射し通水するだけで99Moを生成・水相に回収するシーズ(特願2018-182149)を基にし、核反応で生成した99Moのホットアトムをターゲット内部から水相に取り出すためのMoO3多孔体を作製し、研究用原子炉での中性子照射実験と放射能測定を行う。これにより、困難な同位体分離や危険な高温NaOH溶液への溶解なしに、99Moとその娘核である99mTcを用いた製剤開発を行う。この技術により、これまで100%輸入していた99Moの、生産国産化と供給安定化させる技術開発を目指す。
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研究成果の概要 |
パルス通電加圧焼結、高圧・常圧加熱処理、パルス細線放電、蒸発法により、α- MoO3多孔体、α- MoO3デンドライトとβ-MoO3ウイスカーを作製し、これに対して中性子照射と通水試験を行った。Mo-99の水への抽出に関し、β-MoO3が最高の効率を示し、生成したMo-99の67%が水に移動したことが分かった。これは、α-MoO3と比べてβ-MoO3のMo-O層間距離が長く、水和物を形成できるために水分子が結晶中を移動しやすいこと、ウイスカーの一方向の寸法がホットアトム効果によるMo-99のMoO3中の拡散距離3nmに近いことが理由と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、高温濃NaOH溶液へのターゲット溶解での潜在的危険性や、Mo-98からMo-99の同位体分離技術の開発なしに、中性子照射したβ- MoO3ウイスカーターゲットを水に分散・フィルター濾過するだけでMo-99水溶液を抽出する技術の開発に成功した。これにより、Mo-99とその娘核種であるTc-99mの医療用放射性同位体製剤の、国内安定供給法確立に道を拓いた。本技術は、高濃縮U-235燃料を用いた原子炉を必要とせず、世界の核拡散防止にも大きな貢献が可能と考えられる。
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