研究課題/領域番号 |
19H02560
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
吉本 惣一郎 熊本大学, 産業ナノマテリアル研究所, 准教授 (30323067)
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研究分担者 |
吉沢 道人 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (70372399)
深港 豪 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (80380583)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | ナノグラフェン / ミセル型カプセル / 電極界面 / 金属フタロシアニン / 走査型トンネル顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / 分子コンテナ / ポルフィリン / 組織化 / 薄膜化 / ナノリアクター / EC-STM / 酸素還元反応 / 分子集積化 / 2次元組織化 / 分子コンテナ法 / ナノ構造形成 |
研究開始時の研究の概要 |
分子合成の技術進歩は著しく1つの分子に多くの機能を導入できるようになったが,構造の巨大化・複雑化に伴い溶媒への溶解度が著しく低下するため分子機能の評価や機能発現への展開は限界に直面している。そこで本研究では,水溶性のミセル型カプセルを利用した「分子コンテナ」法により種々のナノグラフェンの配向制御とその選択的集積化,ナノグラフェン機能化による新奇なパイ電子機能や物性の精密な制御にチャレンジする。電気化学的手法,査型プローブ顕微鏡によるナノスケール可視化,ラマン分光など多角的に情報を収集し,固液界面から巨大ナノグラフェンの組織化と集積化,および機能化法を確立する。
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研究成果の概要 |
水に不溶なナノグラフェン類を水溶性のミセル型カプセルに内包し,内包されたナノグラフェン類を金やグラファイト表面へ輸送する方法論を確立した。具体的には,トライアングル状のC96H30, 三ツ葉状のC150H42をはじめ,ヘキサゴンのC222H42の分子像の解像,さらにオバレン単分子膜の電気化学界面での構造変化とその空隙へのチオール分子の一分子孤立化について,ナノスケール可視化に成功した。疎水性分子の吸着と組織化に関する成果に加え金属錯体分子にも展開し,特に鉄フタロシアニン内包カプセル分子が酸素還元反応を促進する「ナノリアクター」としての機能が発現することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで機能性を有するパイ電子化合物(特に疎水性が高い多環系化合物)の多くは水溶液中はおろか有機溶媒への極めて低い溶解性から溶液中における分子自体の電気化学特性はじめ種々の基礎物性についてはほぼ未解明であったが,本研究で確立した手法によって未解明な化合物の物性を理解できるようになった点は大変意義深く,また水溶化できたことで自然環境に必ずしも良い影響を及ぼさない有機溶媒の使用を削減するとともに,実験者の健康上の安全性(負荷低減)にも繋がった。
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