研究課題/領域番号 |
19H02579
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒井 俊人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (40750980)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
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キーワード | 自己組織化 / 結晶構造制御 / 界面制御 / プリンテッドエレクトロニクス / 有機半導体 / 薄膜トランジスタ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、低分子有機半導体材料の分子層数制御された単結晶を用いて、高移動度・特性の安定性・均質性の全てを満たす有機薄膜トランジスタ構築の指導原理を明らかにすると共に、プリンテッドエレクトロニクスに適した新たな有機半導体材料の開発を目的とする。特に、特性安定化や均質化へ向けて、粒界やステップ境界といった結晶モルフォロジーの制御や、これらの境界がキャリア輸送特性に与える影響を微視的観察から明らかにする。また、デバイス安定駆動に適した界面形成や、薄膜構築に最適かつ結晶方位に依存する特性ばらつきの小さい材料の開発を遂行する。以上をもとに、印刷によるデバイス製造における物質科学の学理構築を推進する。
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研究成果の概要 |
本研究では、π電子骨格とアルキル鎖からなる有機半導体において厚みが均質な単結晶薄膜を作製する独自技術をもとに、有機薄膜トランジスタ(TFT)の高性能化に取り組んだ。まず、半導体層の層内分子配列がπ骨格やアルキル鎖それぞれの秩序化が拮抗することにより決定づけられていることを見出した。こうした知見をもとに、層状結晶性や熱耐性に優れる高性能有機半導体を開発した。また、半導体層を撥液性の絶縁層表面に形成することで、スイッチング性能に優れた有機TFTの作製に成功した。こうした取り組みにより、従来課題とされてきた高効率キャリア輸送と安定駆動の両立が可能になり、今後のデバイス製造の基盤となる技術が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では、有機分子ならではの分子構造の自由度を活用した塗布製膜法を活用することで、有機電子材料の可能性を引き出し、きわめて急峻なスイッチングを示す有機トランジスタの作製に成功した。こうしたデバイス製造手法や有機電子材料の設計指針は今後の有機エレクトロニクスの基盤になるものと期待される。また、こうした有機電子材料の開発が進展することで、既存のデバイス製造技術では対応が難しい軽量・フレキシブルといった特徴を兼ね備えたデバイスの開発・普及につながることが期待される。
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