研究課題/領域番号 |
19H02580
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐々木 進 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80323955)
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研究分担者 |
下山 淳一 青山学院大学, 理工学部, 教授 (20251366)
大野 義章 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40221832)
椋田 秀和 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (90323633)
渡邉 信嗣 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 准教授 (70455864)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
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キーワード | 高温超伝導 / 鎖構造誘起超伝導 / Pr247 / Cu核スピン / 核スピン / 擬一次元構造 / 低次元電子物性 / 核磁気共鳴 / 銅酸化物 / 超伝導発現機構 / 鎖構造 / 平面構造 / ヘリウムリサイクル / 超高感度核スピン計測 |
研究開始時の研究の概要 |
いわゆる高温超伝導では「銅と酸素からなる平面構造が超伝導を誘起する」という定説がある。一方,ごく少数ではあるが「鎖構造こそが超伝導を誘起する。平面構造は絶縁状態である」との報告もある。これまで我々は,独自に構築し改良してきた装置を用いて,物質中の核スピンの応答信号から(核スピン計測)様々な物質の不思議を解明してきた。これに加えて,ごく最近,鎖構造誘起と目される物質の完全な超伝導化に成功した。この両者を組み合わせることで,高温超伝導発現の新事実,すなわち鎖構造が誘起する超伝導現象を実証する。これにより,超伝導発現のしくみに革新的な新機軸を打ち立てるとともに,新規の超伝導物質開発の新指針とする。
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研究成果の概要 |
【背景と目的】高温超伝導においては「銅と酸素からなる平面構造が超伝導を誘起する」との定説がある。一方で,鎖構造を有する高温超伝導には,「平面構造は絶縁状態で,鎖構造こそが超伝導を誘起する」との指摘もあった。本研究では自作改良型の装置を駆使し,超高感度核スピン計測により鎖構造誘起の真偽を明らかにする。 【成果】 初年度に必要条件「平面構造中の銅の核スピンが絶縁状態であること」を,次年度以降に十 分条件「鎖構造を形成する銅の核スピンが確かに超伝導下にあること」を示し,鎖構造誘起の超伝導を実証し,完全に当初の目的を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高温超伝導の発現機構について35年にわたる定説,すなわち「銅と酸素から構成される平面構造が超伝導の駆動源である」を超える,まったく新しい機構,すなわち「平面構造は絶縁状態のままで,鎖構造が超伝導の駆動源である」との新事実を実験的に明確に示した。これにより,平面構造にこだわらずに新規の超伝導物質を開発する指針を得たことを意味する。また,擬一次元構造が駆動する超伝導であることから,世界中の著名な理論家の興味の対象となりつつある。
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