研究課題/領域番号 |
19H02583
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
古川 哲也 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10756373)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 11,960千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 2,760千円)
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キーワード | 電流誘起磁性 / 電気磁気効果 / スピン軌道相互作用 / 空間反転対称性の破れ / 強相関電子系 / ジャイロトロピック / 核磁気共鳴 / 半導体 / 磁性 / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は最近発見された電流誘起磁性(電流を流すことで物質が磁性を帯びるという特異な性質)の機構を解明するとともに、強相関効果(電子間の強い相互作用による効果)による電流誘起磁性の巨大化を目指す。電流誘起磁性の発現機構は、単体半導体Teを用いて電気伝導を担うキャリアの性質を様々に変えたときの電流誘起磁性を観測し考察することで明らかにする。強相関効果による電流誘起磁性の巨大化は、カイラル磁性体という特殊な磁性体などを用いたときの電流誘起磁性を観測することで検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、空間反転対称性の破れた系におけるバルク電流誘起磁性の実証及び機構解明を行った。反転対称性の破れた、カイラルな結晶構造を持つ単体Teにおいて、右手結晶と左手結晶を用いた電流印加下核磁気共鳴実験を行い、電流誘起磁性の存在を理論的な洞察と整合する形で実証することに成功した。また電流誘起磁性の測定磁場方向依存性やキャリア密度依存性から、電流誘起磁性とバンド構造との関係に対する理解を深めることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、反転対称性を持たない結晶における電流誘起磁性の存在をより確実なものとする実験結果を得ることに成功し、さらにそのメカニズムについて、バンド構造との関係を理解することができた。これらの成果はバルク電流誘起磁性という新現象をいかに検出するかについての手段を確立し、また、この現象をより広い物質系について探索し考察する際の指針を与えるものであり、今後スピントロニクスなどへの応用が期待されるものである。
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