研究課題/領域番号 |
19H02593
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中野 匡規 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (70592228)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 薄膜・界面物性 / 二次元物質 / エピタキシー / 2次元物質 |
研究開始時の研究の概要 |
物質をわずか一層にまで薄くした際に発現する物性や機能の開拓に取り組む。特に、グラフェンに代表される2次元物質のエピタキシャル成長を通して、劈開が困難な物質の単層化や、天然には存在しない組成や構造を持つ新奇量子物質の人工合成を実現すると共に、電界効果ドーピングによる電子相制御と新奇デバイス機能の開拓に取り組む。さらに、異なる2次元物質を積層させたファンデルワールス超構造を構築し、電子の個々としての性質であるスピンやバレー、あるいは波動関数のトポロジーといった量子力学的な特徴と、電子の集団としての性質である超伝導や磁性などの強相関物性を融合させることで、単一物質では得られない物性や機能を創出する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、種類が豊富で多彩な物性を示す遷移金属カルコゲナイドに注目し、これを原子層数層レベルにまで薄くした際に初めて発現する2次元物性の開拓に取り組んだ。特に、半導体や酸化物の分野で確立された技術である分子線エピタキシー(MBE)法を利用したlayer-by-layer成長に取り組み、劈開が困難な物質や薄膜準安定相などを含む様々な2次元物質のエピタキシャル成長と、その2次元極限における電子物性を解明することに成功した。また、2次元超伝導体と2次元強磁性体を積層させた磁性ファンデルワールス超構造のMBE成長に成功し、その界面において、単一物質では得られない特異な電子状態を実現した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義としては、まず劈開が困難な物質や薄膜準安定相の超薄膜化に成功し、その2次元物性を解明した点が挙げられる。また、それらの物質を積層させたファンデルワールス超構造を作製し、単一物質では得られない特異な電子状態を実現した点にも大きな意義がある。一方、大局的な視点からは、2次元物質の大面積試料を作製するためのプロセスを確立した点に大きな意義がある。今後はこの大面積性を生かして、従来は試料サイズの関係で制限されていた物性評価手法の飛躍的拡大と、それに伴う2次元物性の理解の深化・発展、さらには様々な機能性デバイスの作製を通した応用研究の飛躍的発展などが期待される。
|