研究課題/領域番号 |
19H02638
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 東京大学 (2020-2022) 北海道大学 (2019) |
研究代表者 |
三輪 修一郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00705288)
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研究分担者 |
坂下 弘人 北海道大学, 工学研究院, 特任教授 (00142696)
伊藤 大介 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (30630024)
伊藤 啓 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (50421590)
舩谷 俊平 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50607588)
沢 和弘 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80355015)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 気液二相流 / 蒸気インジェクタ / 熱流体工学 / 熱流体 / 直接接触凝縮 / 相変化 |
研究開始時の研究の概要 |
小型モジュラー炉(SMR)や第4世代原子炉をはじめとした次世代原子力技術は、安定的なベースロード電源の役割に加え、温室効果ガス削減やエネルギー安全保障の観点からも、他の発電方法では代替不可能な環境的・経済的・資源的メリットを有する。一方、過酷事故対策を含めた安全性の更なる高度化と総合コストの削減が課題となっている。本研究提案では、静的ジェットポンプとして機能する蒸気インジェクタ(SI)を次世代型原子炉において適用する革新的静的安全系開発を目的とする。これにより、全電源喪失時や炉心溶融事故を回避するコンパクトな注水および高効率徐熱システムの構成が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究助成により取り組んだ蒸気インジェクタ(SI)の実験ならびに解析モデルについて以下の通り纏める。SIの運転特性については、供給蒸気圧の上昇に伴い、混合ノズル内に水噴流が形成され、その長さは蒸気圧との相関関係にあることが示唆された。背圧弁調整によりSI内部圧を上昇させた後、凝縮ショックがディフューザー後方部で形成されることが確認できた。本研究助成により新規開発した一次元モデルは、SIの圧力分布を従来手法よりも正確に計算することが可能である。新たに提案した凝縮ショックモデルを追加項として運動量保存式に組み込むことで、最大吐出圧の計算値の精度が大幅に向上することが確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SIは、蒸気の熱エネルギーを運動エネルギーに変換することで、入口蒸気圧力よりも常に高い吐出圧が得られる装置である。SIを静的安全装置の一部として原子力施設へ導入することで、事故時に発生する蒸気を利用し、水噴流と混合させることで、圧力変動に影響されずに安定した注水と徐熱が可能となる。更に、混合ノズル内部において生じる蒸気-水の直接接触凝縮型熱交換は、従来の熱交換機の1,000倍以上の伝熱性能を有する。本研究成果は小型炉等の次世代原子炉へのSI導入に向けて必要となる最大吐出圧ならびに正常作動・不作動の作動条件を熱流体工学の観点から検証したものであり、次世代炉の安全性向上に寄与するものと期待される。
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