研究課題
小型モジュラー炉(SMR)や第4世代原子炉をはじめとした次世代原子力技術は、安定的なベースロード電源の役割に加え、温室効果ガス削減やエネルギー安全保障の観点からも、他の発電方法では代替不可能な環境的・経済的・資源的メリットを有する一方、過酷事故対策を含めた安全性の更なる高度化と総合コストの削減が課題となっている。本研究提案では、静的ジェットポンプとして機能する蒸気インジェクタ(SI)を次世代型原子炉において適用する革新的静的安全系開発を目的としている。本研究により得られる知見より、全電源喪失時や炉心溶融事故を回避するコンパクトな注水および高効率徐熱システムの構成が期待される。本提案においては、最新鋭の熱流体計測手法によりSIの作動メカニズムを解明し、次世代原子炉への適用が可能な注水システムとしての技術確立を目指すため、新規二次元SI試験体による直接接触凝縮現象と衝撃波生成機構の可視化実験を実施し、凝縮過程を伴う一次元二流体モデルならびに、数値解析手法の高度化を3年に渡り実施した。SI の運転特性として、運転可能な実験条件においては供給水量を一定に維持した後、供給蒸気圧を徐々に増加させた上で定常状態が保持される。その後、背圧を更に上昇させると衝撃波がノズル下流側で形成され、スロート部へと移動する。衝撃波がスロート部付近まで到達する条件において、最大吐出圧に到達することが、本可視化実験にて確認することができた。以上の実験結果により得られた知見から、、衝撃波モデルを一次元二流体モデルに組み込むことで、最大吐出圧の計算値が26.7% 程向上することが確認された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of Heat and Mass Transfer
巻: 186 ページ: 122340
10.1016/j.ijheatmasstransfer.2021.122340
巻: 170 ページ: 120971
10.1016/j.ijheatmasstransfer.2021.120971